やや安定性に欠けるAirのパフォーマンス
ベンチマークテストでは、MacBook Airの1.6GHzのハードディスクモデル、1.8GHzのSSDモデル、旧MacBookの2.2GHz、同じくProの2.4GHz 15インチ──という4モデルを使い、各種アプリケーション処理を比較した。
各マシンのCPUはいずれもCore 2 Duoで、クロック周波数は順に1.6/1.8/2.2/2.4GHz。MacBookと同Proは1世代前のモデルだ。共有2次キャッシュの容量はいずれも4MB、フロントサイドバスも800MHzで共通。従ってCPU性能の違いは、ほぼクロック周波数だけに影響を受ける。
GPUは、AirとMacBookはチップセット内蔵の「Intel GMA X3100」、Proは独立したGPU「NVIDIA GeForce 8600GT」を搭載。さらに内蔵ディスクは、MacBookは120GB、Proは160GB、Airの1.6GHzモデルは80GBのハードディスクを、1.8GHzモデルは64GBのSSDだ。
ベンチ結果を見ると、CPUやGPU性能に対してやや意外なものもある。要因は、共通するアーキテクチャーを差し引いて考えると、ハードディスクとSSDの違いと考えざるを得ない。ただし、「ファイルコピー」や「フォルダーコピー」のように、Finderからファイル単位でディスクにアクセスしている限りハードディスクとSSDの性能差は、むしろ意外なほど小さいのも事実だ。
CPU性能の違いが順当に表れているテストは、「iTunes AACエンコード」と「Adobe Photoshop CS3アクション」。それに対して、MacBookとAirでCPUクロック周波数と結果が逆転しているテストは、「DOOM 3」フレームレートと「Adobe Photoshop CS3 スクロール」だ。
さらに、CPUクロック周波数以上の性能差が現れたのが「CINEBENCH-CPU」と「CINEBENCH-GPU」。GPUが同一であることを考えると、ソフトからディスクへのアクセス方法の違いによってハードディスクとSSDで得手不得手があると考えられる。
「バッテリー性能」は、MacBookの持続時間の長さが目立っている。GPUの処理を必要としない用途では、CPUのクロック周波数も高すぎず、マシンのバランスが優れていると評価できる。Airの消費電力に関しては、SSDの採用によりMacBookよりも少ないはずだが、薄さを重視したため、バッテリー容量そのものが小さいので、持続時間は短い。薄さかバッテリーの持続時間かどちらを選ぶかによって評価が分かれるだろう。
【テスト条件】●マシンのシステムはMac OS X10.5.1、メモリーは各機種の標準容量で計測 ●グラフの値は、それぞれのテストを3回行って算出した平均値 ●グラフの数値は、MacBook Airを100としたときの相対値(カッコ内は実測値)。いずれもグラフのバーが長いほどパフォーマンスが高いことを意味する
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