塩澤一洋の“Creating Reed, Creative Mass.──大公開時代の羅針盤” 第15回
塩澤一洋の“Creating Reed, Creative Mass.──大公開時代の羅針盤”
音楽・写楽・楽校・楽問
2008年08月31日 15時00分更新
音を楽しむのが音楽なら、写して楽しむのは「写楽(しゃがく)」だ。フィルムで撮影していた時代には、一枚一枚が貴重だから、「写真」はきちんと撮るものだった。でも、デジタルになったら、なにも「真実」を「写す」などという気負いは無用。どんどん撮って楽しめばいい。それが写楽。そして撮ったあとの楽しみ方はMacが増幅してくれる。
このようにMacには、鑑賞を楽しむソフトウェアと創作を楽しむソフトウェアがバランスよく盛り込まれている。映像を見て楽しむiTunes、創って楽しむiMovie。ウェブサイトを見て楽しむSafari、創って楽しむiWeb。書類はプレビューで見たりPagesで創って楽しむ。Keynoteで映し出されるスライドの美しさを楽しみ、プレゼン創りを楽しむ。
他人の作品を堪能することと、自分で作品を創り出す楽しみを両方味わうことができる。それがMacの楽しさの秘密だ。そういうツールを日頃から使っていると、他人の作品を見聞きしているときでも、心のどこかで「自分ならどう表現しようか」とクリエイティビティーがわいてくる。そんな表現欲求を自分でも形にできそうなワクワク感がMacにはある。
鑑賞と創作のサイクル。鑑賞と創作は別個のものではなく一連のものだ。両者が渾然一体となって新たな作品が生み出される。それを楽しさの循環にして人々を創作・表現へと向かわせるシステムがMacだ。いわば「楽しさ増幅装置」なのである。
「楽しい」という感覚は、人を動かす原動力だ。楽しいから音楽を聴き、楽しいから自分でも創ってみる。楽しいから写真を撮り、楽しいから作品に仕上げる。「楽しさ」によって創作のエネルギーがわいてくるのである。
(次ページに続く)

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