塩澤一洋の“Creating Reed, Creative Mass.──大公開時代の羅針盤” 第13回
塩澤一洋の“Creating Reed, Creative Mass.──大公開時代の羅針盤”
写真の点と枠
2008年08月17日 15時00分更新
写真が楽しくなるカメラ それで私が撮るものは?
写真が大好きだ。シャッターを切るだけで1枚の絵を撮れる。簡単で奥が深い。そのうえ、ウェブに公開する環境も整っている。Flickrのように無料や低額で写真を公開して付加価値を付けられるサイトを使えば、コミュニケーションも広がる。ステキな表現手段だ。
カメラはいろいろあるけれど、仕事の写真のほとんどは一眼レフで撮る。MacPeople'07年3月号の表紙の写真やマックワールド特集のトビラ写真は私が撮影したものだが、そのカメラはキヤノン(株)の一眼レフ。暗い室内で行われる基調講演を遠くから確実に撮るには一眼レフが最適だ。
でも、自分の表現としての写真や日常生活を撮るとき、一眼レフはあまり使わない。メインで使うのはもっぱらコンパクトデジタルカメラだ。中でも最も愛用しているのは(株)リコーの「GR DIGITAL」(GRD)。'05年10月21日に発売された2日後から1年半、常に持ち歩いている。もはや自分の目と手の延長だ。
28mm単焦点レンズ(ズームしないレンズ)で写すGRDの描写は素晴らしい。まっすぐなものがまっすぐ写る気持ちよさ。実際、前述の基調講演で全体の雰囲気を伝えるためにGRDで撮った写真は、別の雑誌で使われた。GRDの画質が商用印刷に堪えられる証だ。
'07年4月20日、そのリコーから「Caplio GX100」が発売された。Caplio GXシリーズの3代目だが、そのテイストは限りなくGRDに近い。入手して以来、半月で3000枚ほど撮った。
GX100の特徴は3つ。24mmの広角レンズ、垂直にティルトする液晶ビューファインダー、そして縦横比1対1のスクエアフォーマットの写真が撮れること。GRDからさらに進歩した操作性と相まって、写真を撮りたいと思わせる魅力にあふれている。
(次ページに続く)
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