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ジェネラルパーパス・テクノロジー(後編)

大企業の消滅で、日本は生き残れる──野口悠紀雄が語る

2008年07月22日 11時00分更新

文● 遠藤諭、語り●野口悠紀雄、撮影●パシャ

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政府はどうしたらいいか──という発想がおかしい


── 日本の大企業はどうすればいいんですか? 政府は、まじめにやってくれというのは分かりやすいんですが、大企業はどうしたらいいのですか?

野口 大企業は消滅すればいい。アメリカのAT&Tは、買収されて名前は残っているけれど、昔のAT&Tは消滅しました。

── なるほど。

野口 銀行は先ほど述べたように、大きくなる方向にしか進んでいない。まるっきり方向を間違えていますね。

── 大企業も厳しいですか? エレクトロニクスに関していうと、アメリカは半導体メーカーは大きいところもありましたが、製品に関していうとベンチャーが活躍しましたよね。それに対して、日本は大手電機メーカーがやった。ITにおいても、アメリカがベンチャーだというのなら、日本の大企業がちゃんとやるという構図はあり得なかったんですかね?

野口 私は、逆だと思いますね。それは、大規模化を目指そうということです。

── だとすると、どうしたらいいのですかね?

野口 「政府がどうしたらよいか」という発想自体がおかしいと、私は思います。それは、個々の企業が考えればよいことで、政府が考えて旗をふってやる話ではない。こういう問題を議論していると、必ず「みんなで力をあわせて」という話になる。そうした発想から抜け出せないと、日本に未来はありません。

── ベンチャー企業の助成制度とかありますよね。

野口 ベンチャーを育成するとは、語義矛盾です。ベンチャーというのは、リスクを取ることです。それを助成したら、ベンチャーではなくなる。

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