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コミケ・ワンフェス直前対策!「俺」流コスプレ撮影術 第2回

コミケ・ワンフェス直前対策!「俺」流コスプレ撮影術

カット#02 視野と心は広くあれ!男をタタせるレンズ選び!

2008年07月25日 16時00分更新

文● 藤山哲人 / 撮影● 小林 伸 / モデル● 乾 曜子(ディスカバリー・エンタテインメント) / ヘアメイク● 平山良枝(エレファントチョップ)

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夏空の青さを際立たせてアニメ仕立てに

 アニメのオープニングと言えば、真っ青な空に始まり、タイトルがど~ん! ラストは大空を飛び交う鳥を追って青空にパ~ン!だ。青空はアニメにとってとっても大切な存在。
 でもイザ空を撮影してみると、見た目ほど青くないなんて場合がある。“コミケの日は晴れる!”という伝説(何回か天に裏切られたけど……)にあるとおり、レイヤーさんの背景の青空を寄り青くして撮影すると、コスプレもオープニングのワンシーンのように映える画になる。
 そんなときに重宝するのが、PLフィルタと呼ばれるもの。「サーキュラ」や「偏光」フィルタとも呼ばれる。

価格はレンズの太さにもよるが、5、6千円~1万円前半ほど。結構高かったりする

PLフィルタ

 このフィルタは、ガラス越しのモノなどを撮影する場合、ガラスに反射するテカリを軽減して中のフィギュアをキレイに撮影したりするものだ。つまり特定方向から入ってくる光をカットしてくれる。

PLフィルタなし
PLフィルタあり

左はPLフィルタなし。背景がガラスに反射してしまっている。右はPLフィルタを付け、ガラスの反射を抑えたもの

 ただコレをレンズに取り付けて空を撮影すると、青空がより一層青く写るという効果がある。空には水蒸気がたくさん含まれて(とくに夏場)いるため、太陽光が水蒸気に乱反射し、青よりは水色に見えてしまう空色。しかしPLフィルタを使うと、乱反射する光の一部を軽減できるため、水色を青にできるのだ。
 ただ撮影当日は、今にも雨が降りそうな曇り空だったので撮影できず! いくらPLフィルタでも、うす曇の空を青空に変えることはできないのだ。
 同様の理由で、スパンコールが全身に縫い付けられていて、激しく乱反射してギラギラ光るコスチュームを、少し落ち着いたきらめきに変えることも可能だ。
 そしてこのフィルタは、他のフィルタとはチョット違ったところがある。レンズにフィルタをネジで固定しても、クルクルと回るのだ。このクルクルがPLフィルタでは大切で、これこそ軽減する光を決めるダイヤルとなっている。青空を撮る場合はもちろん、ガラスのテカリやスパンコールの反射もダイヤルを回していちばん調子のいい角度を探してみよう。

フィルタの縁を持って

フィルタはクルクルまわすことができるのが特徴。これで遮断する光を選ぶのだ

 ただしPLフィルタは、一部の光をカットしてしまうため、若干暗くなることに注意して欲しい。日陰などで撮影する場合は、シャッタースピードの低下に注意すること。
 そして乱用するとウルサイが、こんな写真もわずかな小道具とレンズ保護用フィルタでできる。

ソフトフォーカス効果
ファンタジーな仕上がりになる

写真の周囲がぼかしがかかったようになっている。胸より上のバストアップなどの撮影で効果的。全身の撮影には不向きだ

 レイヤーさんの背景が、かなりボケボケになっているのがお分かりだろうか? 花のクローズアップ撮影などでよく使うソフトフォーカスと呼ばれるフィルタ効果だが、専用のフィルタを買う必要はない。
 この種明かしが次の写真だ。

かゆみ止めのムヒなんかでもOK!

秘密はリップクリームだ!

 ご覧のようにフィルタの周囲に、かゆみ止めのムヒやリップクリームを塗り、レンズを曇らせてしまうのだ。レイヤーさんの顔を入れる部分は、何も塗らずに透明にしておくと、周囲だけボケた写真になる。

実に簡単!

レンズ保護フィルタに、こんな具合に塗るといい

 またフィルタ全体に薄っすらと塗ると、霧の向うにいるような幻想的な画ができあがる。

かなり強めのソフトフォーカス
中央部をティッシュで拭いて薄くしてみた

左はかなり濃い目に塗った場合、左は中央部を少し薄めてみた

 シミやソバカスなど肌の荒れているレイヤーさんを撮影する場合は、全体にソフトフォーカスをかけると、肌荒れを隠すこともできる。
 ソフトフォーカスのかかり具合は、リップと指、そしてティッシュでいくらでも調整できるので、ぜひソフトフォーカス用の激安レンズ保護フィルタを用意するといいだろう。
 撮影したあとは、ティッシュなどでキレイに拭き取れば、また普通に撮影が可能だ。

(次ページへ続く)

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