このページの本文へ

あなたが知らない家電の世界 第2回

松下の明るいウラ話:最高級の蛍光灯は必要か?

2008年07月31日 10時00分更新

文● 正田拓也、トレンド編集部

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

Q2 明かりの時間差はどうにかできない?


 次に聞いてみたのは、さっきの「時間差」がどーにかならないのかということ。

 実はこれ、点灯/消灯の制御に製品全体の温度を利用しているのがポイントだ。「蛍光灯が点灯することで(電球全体が)十分温まった」というタイミングを1つの目安に消灯するようになっている。

スイッチを入れてすぐ点灯してくれても、その後すぐに暗くなってしまったのでは手元がおぼつかない。下世話な話だが、トイレの場合などはかなり不安だ

 そのため、複数回点灯した後など電球本体が温まっている場合はちょっとマズい。回路が「あ、もう消していいかな」と判断し、クイックランプが一瞬しか光らないことがあるのだ。そうなると、蛍光灯が明るくなる前に数秒の真っ暗な時間が生まれてしまう。

 トイレやキッチンなど、しょっちゅう点灯/消灯を繰り返す場所で使うときなんかはこの条件に当てはまる。販売店のデモ展示でこの「暗闇」に遭遇することもあった。せっかくのハイエンド製品なのだから、どうにか改善できないものか。

 例えば、クイックランプの輝度や点灯時間をきめ細かく制御してくれればいい。最初から十分な明るさを備えながらも、クイックランプの点灯時間は短く、より違和感なく省電力な物になるはずだ。

フツーの電球と比べると、インバータ回路が内蔵されている分だけタテに長い

 その点の難しさについては、コストはもちろんだが、形状の問題が大きいのだと言う。現状のまま回路がより複雑になってしまうと、全体のサイズがさらに大きくなり、従来の電球との代替性がなくなってしまうと言うのだ。

 確かにこのサイズの問題は重要だ。蛍光灯形電球は回路部分があるため、電球よりタテに長い。そのため、一部の照明器具では代替できない場合があるのだ。

ダイニングなどで使われるカバー。カバーそのものがピッタリ電球サイズになっていると、カサの下にはみだしてしまうこともある

 重量も同じだ。フィラメントが入っているだけのガラス玉で空気すら入っていない白熱電球に比べれば、電球形蛍光灯は数段重くなる。わずかな重みで下を向いてしまう繊細な電気スタンドもあることを考えると、この2要素をカンタンには犠牲にできない。

カテゴリートップへ

この連載の記事

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン