ソニーが16日に投入した新モバイルノート「VAIO type Z」は、「一切妥協しないモバイルノート」を標榜した、ハイスペックノートだ。
重量1.35~1.45kg、13.1インチワイドサイズの液晶ディスプレーを備えた薄型軽量ボディーの中に、Centrino 2プラットフォームのスペックを凝縮。さらにCTOモデルでは、モバイルノート初のBDドライブや前代未聞の「SSD-RAID」を搭載することも可能だ(ただし、最高構成では50万円近いお値段になるが)。
まさに「セレブなモバイルパソコン」、いわば「セレパソ」とでも言おうか。
エグゼクティブが持つ「セレパソ」
type Zは同社のノートパソコン「VAIO type S」の中でも、「プレミアムバージョン」(SZシリーズ)と呼ばれた軽量&ハイスペックモデルのコンセプトを、より先鋭的に押し進めて実現したモバイルノートである。
想定するユーザー層を「エグゼクティブビジネスパーソン」として開発されたtype Zは、「ヘビーなアプリケーションも快適に使えるメインマシン並みのパフォーマンス」「携帯性に優れた重量とバッテリー駆動時間」「ステータスの象徴となりうる美しいデザイン」の3点をコンセプトとしている。これらはSZシリーズにも共通する要素であるが、type Zはそれをさらに凝縮して、SZシリーズを超えるパフォーマンス向上と軽量化、さらに長時間駆動を両立させている。
あえて通常電圧版のCore 2 Duoを採用
まずパフォーマンスについては、最新の「Intel Centrino 2 プロセッサ・テクノロジー」ベースのプラットフォームを採用。2.53GHzの高クロック動作ながら、TDP 25Wという低消費電力を実現したCore 2 Duo P9500をCPUとして搭載する(店頭販売モデルの場合)。
モバイルノートでは、動作クロックが低い代わりに消費電力の低い「超低電圧版(ULV)Core 2 Duo」を採用する製品が多いが、type Zではあえて通常電圧版のCPUを使用し、高いパフォーマンスを追求した。「モバイルだから性能が低くても仕方ない」という妥協は、type Zとは無縁のものだ。
さらに、チップセットも最新のIntel GM45 Expressチップセットを採用。メモリーにも性能と低消費電力に優れるDDR3-1066メモリーを標準搭載するなど、パフォーマンスと消費電力に優れた構成となっている。
さらに、type Sで好評を博した「ハイブリッドグラフィックス」機能を継承。グラフィックスパワーが必要なときやACアダプター接続時には、マザーボード上に搭載されたDirectX 10世代のノート向けGPU「GeForce 9300M」を使用し(スピードモード)、バッテリー駆動時間を重視したいときには、チップセット内蔵グラフィックス機能に切り替える(スタミナモード)など、使用シーンに応じてグラフィックス機能を切り替えられるようになっている。
type Sのハイブリッドグラフィックスでは、GPU切り替えの際にOSの再起動が必要で、使い勝手の面ではいささか難もあった。しかしtype Zではこれが改善され、OSの再起動が不要になった。デスクの上ではACアダプターをつないでフルパフォーマンスで使用し、会議の際にはスイッチひとつでスタミナモードに切り替えるといった、自然な使い分けが可能だ。
