まずは省スペース機としての完成度の高さに注目
タッチの使いやすさに関しては「好みが分かれるかな」と個人的には感じた。ただし、その魅力を抜いても、省スペースで大画面が得られる点、リビングの美観を損なわない美しい筐体、設置のしやすさなどを考慮すれば、TouchSmart PCが非常に魅力的なマシンに仕上がっているのは確かだ。
日本市場では、古くはNECの「Simplem」。最近ではソニーのボードPC(VAIO type L)など、液晶一体型のパソコンが数多く存在しているが、22インチクラスの大画面になると筐体も大型になってしまう場合が多いし、価格も割高だ。ここまで薄型で、13万円台からの低価格を両立した製品はあまりない。
筆者は一時期集中的に、キーボードを装備していないピュアタブレットのマシンを使い込んだことがある。当初はブラウジングぐらいなら、特に問題ないだろうと構えていたが、実際にはパソコンの本当に多くの操作がキーボードに依存していることに気付き、愕然とした。インターネット主体でもURLの入力や、ネットワークの設定、検索など、キーボードがないと非常に不便な場合が多かった。
その点は、TouchSmart PCでも、PCである以上完全には解消されていない部分だが、本機のビューアーは操作性、レスポンスのどちらを見てもなかなか高い水準にまとまっている。まずはスタイリッシュで、省スペースなパソコンとしての用途を考え、さらにタッチの世界も体験してみたいと考えるユーザーにとってはいい選択肢になると思う。