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時事ニュースを読み解く “津田大介に聞け!!” 第22回

津田大介が語る「MADとニコニ・コモンズは裏腹」

2008年07月12日 00時02分更新

文● トレンド編集部、語り●津田大介(ジャーナリスト)

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ニコ割アンケートがスゴい理由


── 発表された新要素で、心に響いたものはありますか?

ニコ割アンケート

動画を視聴中のユーザーにリアルタイムでアンケートを取る「ニコ割アンケート」。7月下旬に始まる予定

津田 個人的に「これはすごい」と思ったのは「ニコ割アンケート」ですね(関連記事)。あれはとてもいいサービスになると思う。

 ニコ割アンケートは、属性を選ばずに、その瞬間に立ち会った人に答えてもらうというところに意味がある。確かにものすごく偏っているサンプルなんだけど、システム的に「その中では公平にやっている」というのがポイントだなと。Wiiの「みんなで投票チャンネル」と同じような面白さがあるけど、強制的にユーザーにやらせるってのがいいですね。

 よくいえばエッジが立ってる、悪くいえば「厨房」なネットコミュニティーがいろいろな問題に対してどのような指向性を持っているのか、これだけ大規模な集計結果という形でオープンになるのは今までになかったことです。特定の問題については、将来的に世間に対する影響力も持ってくるんじゃないかな。

みんなで投稿チャンネル

Wiiの「みんなで投稿チャンネル」


── イベントでも夏野さんが「この熱気は世の中に伝わっていない」と言っていました。アンケートの影響力は、ネットの中だけに留まりませんかね?

津田 多分、どういうアンケートの設問を作って、どういう形でニコニコ動画内に投下していくかですよね。例えば、国政選挙などが始まるちょっと前に「自民党」「民主党」 「その他」という選択肢を提供して、結果をリアルタイムで公表したら、それはいわゆる世論調査とはまったく異なる結果が出るだろうけど、インパクトはある。

 逆にいえば、設問の作り方でいくらでも「ニコニコ世論」を誘導することもできるわけですから、ニコ割アンケートの質問をドワンゴの一存で作っていくのか、それともある程度パブリックなものとして各所から受け付けていくのか、その仕組みをオープンにしてきちんと設計できるかどうかが重要かなと思っています。それがうまくいけば、影響力のあるサービスに成長していく可能性は十分あると思います。

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