前編、中編に引き続き、後編ではステージの雰囲気をお伝えし、「ニコニコ動画(夏)」の新要素をまとめていこう。
最強コンビ(!?)の誕生だ
「ちょっと後悔しています。でもこれよりは(ドワンゴを)黒字化するためにがんばるぞーーー!!」
元NTTドコモ執行役員で、4日ドワンゴ顧問に就任した夏野剛氏は、ステージに登場するなりそう声を上げた。
ドワンゴにおける夏野氏の初仕事は、この「ニコニコ大会議2008」で、ニワンゴ取締役の西村博之(ひろゆき)氏と一緒に「ニコニコ動画(夏)」の新機能を解説することだった。
いきなり最前線に立たされた形の夏野氏だが、さすがにドコモ時代、数々の大舞台をかいくぐってきただけあって、いきなりのステージでもまったく動じず、ひろゆき氏をネタにして楽しむ余裕すらあった。例えば、新機能解説のあとに行なわれたトークライブでは、ゲストの松嶋初音さんを交えてこんな会話をした。
ひろゆき 女の人がニコ動に顔出しで出るのは、怖がる部分があるじゃないですか。しかも昔(松嶋さんの)ブログが炎上してたりするのに。
松嶋 言うなー。
夏野 裁判出てないくせに(お前が)言うな。
とっさのツッコミに、会場から大きな拍手がわき起こる。
一方、ひろゆき氏も負けてはいない。いつもは1人でニコ動の新機能をプレゼンしているが、今回は夏野氏と2人なので「ホント楽だわー」と本音をポツリ。イベントの最中、夏野氏を何度も「オッサン」呼ばわりする自由人ぶりを見せつける。例えば、こんな一幕もあった。
夏野 服装変えると、人間性変わるんだよ。
ひろゆき あ、そういうところありますよね。前、社内で普通にTシャツ来て歩いている人がいて、「何だこのオッサン」って思ってよく見たら夏野さんだったという。
夏野 失礼な!(笑)
2人での初舞台とは思えないほど息の合った掛け合いに観客も飲まれて、新製品発表会というよりは、お笑いのトークライブのような一体感のあるイベントとなっていた。