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古田雄介の“顔の見えるインターネット” 第28回

奇天烈管理人が語る「かつて、ウェブはクールだった」

2008年07月07日 11時00分更新

文● 古田雄介

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個人サイトからネットで稼ぐ研究へ


── いつごろまで個人サイトを追っていたんですか?

金田 「個人ホームページのカリスマ」を書いたときまでだから、2002年だね。その後、別の雑誌で「ネットでお金を稼ぐという連載をしませんか」って言われて、2008年3月に雑誌が休刊するまでそっちをやっていた。アフィリエイトやオークション、デイトレーダーにネットショップとか。


── お金を稼ぐというのも新しい動きですよね。「個人ホームページのカリスマ」では「昔はお金を稼ぐ目的でサイトを始める人はいなかった」という解説がありました。

金田 うーん。一応、2002年より前にも充分稼いでいる人はいたね。たとえば、「侍魂」の健さんはバナー広告を貼ってすぐに1日200万円くらいの売り上げが出たこともあったらしい。でも、始めからそんな収入を期待していたわけでなく、やっぱり根底にあるのは自己表現だったんだよ。

 それに、ネットでお金稼ぎできないかって考えている人がいないわけじゃなかった。そういう人がアフィリエイトに飛びついたのがちょうど2002年だったというわけで。あれは一種のブレイクだったよね。2003年にはたくさんのアフィリエイト本が出たりして。


── 2003年といえば、金田さんが「奇天烈」を始めた時期ですね。そういうネットの動きと何か関係があったんですか?

金田 いや、単に自分の友人たちのサイトを紹介するポータルサイト的なものを作りたかったんだよ。ただ、最初の構想はちょっと上手くいかなくて、知人に教えてもらったツールで文章の投稿コミュニティにして。それで、文章を投稿してもらうように知人にどんどん連絡していって、今みたいなカタチになった。一時期は数10人が書いてくれて、結構盛り上がったね。まれだけど、一般ユーザーからの投稿もあったりして。で、今は僕の個人ブログみたいになってる。


── とはいえ奇天烈では、ネットで稼ぐ色々な手法が盛り込まれていますよね。特に「奇天烈ノンフィクション賞」がユニークです。一般投稿者の作品を募集して、優秀なものは金田さんが出版社への営業と書籍編集を手掛けるという。自費出版とは違う、面白い取り組みだと思います。

金田 始めたのは2005年くらいかな。僕が編集する書籍が欲しかったというのがきっかけなんだけど、今まで受賞作はなかったから「ネットで稼ぐ」に至っていないけども(笑)。ただね、最近1本良い作品に出会って受賞作が出て、今は出版社で書籍化するために動いているんだよ。近々作れると思う。

奇天烈ノンフィクション賞

「奇天烈ノンフィクション賞」の案内ページ。躁病を扱った作品が近々発行され、同賞の書籍化第一号となる予定という

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