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古田雄介の“顔の見えるインターネット”第28回

奇天烈管理人が語る「かつて、ウェブはクールだった」

2008年07月07日 11時00分更新

文● 古田雄介

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現在まで続く「草の根民主主義思想」


── ネットの最初期にサイトを始めた人たちは、どんな層が多かったのでしょう。

金田 何かしら自己表現する人だね。インターネットができる前は、ミニコミを作っていた層が多いと思う。実際、ミニコミ出身のウェブサイト作者に取材したこともあったし。

 あと、当時はインターネットとレイヴがすごくシンクロしていたよね。結構面白いサイトを作る人が、レイヴのDJをやっているとか。今でいえば、YouTubeとかニコニコ動画に自作の動画を一生懸命上げる人とかいるでしょ。そういう人って、たゆまずいるものなんだよ。エッジな存在っていうのかな。


── そういった人が初期に活躍した動きというのは、最初にネット文化ができた米国とも共通するんでしょうかね。

金田 そうだと思う。米国では1993年に「インターネット・エクスプロージョン」って呼ばれる現象が起きて、多くのエッジな人がインターネットに飛びついた。なんでそういう人が集まったかというと、単に自己表現の新しい場というだけでなく、「インターネットは、既成のメディアに取って代わる、草の根の人間が作る民主的なメディアである」という思想が根底にあったからなんだよね。

 日本は少し遅れてインターネットブームが来たわけで、そういう米国の思想に共感する人達が飛びついたという面もある。だから、最初期の頃は「誰もがサイトを持てば、企業や行政と同じように勝負できる」って言われていた。当然、あとから集まった人たちも、ネットは草の根民主主義な新しい存在だと捉えていた。


── なるほど。2ちゃんねるが顕著な例ですが、現在も日本のネットには「対マスコミ」という意識が流れ続けています。この流れは今後も変わらないと。

金田 クールとかそういう雰囲気が変わっても続くだろうね、やっぱり。インターネットは、文脈としてその思想があるからね。


── しかし一方で、最近はネット全体の空気を語るのが難しくなっています。mixiやはてな、ヤフオク、2ちゃんねるを一括りに語るのは乱暴すぎますし、2ちゃんねるのなかでも板ごとに雰囲気が違うという。

金田 それは、まあ、普通のことだよね。僕の年代だとロックの例がしっくりくるんだけど。最初はロックっていう1ジャンルだったのが、そのうちブリティッシュロックとアメリカンロックという区分ができて、そのうちアメリカンロックも細分化されていってと。でも最初のロックの思想は何となく残っている。そういう文化の歴史どおりに、ネットも動いているんじゃないかな。

金田善裕のホームページ 金田氏の私設サイト「金田善裕のホームページ」。自著の解説のほか、自作の小説「格差社会」も公開している

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