最新ウェアラブル・ディスプレイとマルチタッチが世界を変える?
清水 ケータイがこの先どんどん薄くなっていって、メガネみたいになったら、電脳コイルの世界も夢じゃないかもしれないです。そういえば、オリンパスさんが棒にしか見えないようなウェアラブル・ディスプレイを開発していて。
高須賀 棒?
清水 1mmぐらいの棒を目の前に装着すると、網膜に直接映像が送られて見えるんですよ。そしてそれがカンペキに実際の風景と重なって見えるんです。ピントを合わせる必要もない。
高須賀 すごいなあ。
清水 しかもそれ、完全にワイヤレスになっていて、メガネをかけるだけでケータイやPCの画面を違和感なく見られるんですよ。
高須賀 ワイヤレスなんだ。それだとアメリカで大ヒットするかもしれませんね。アメリカ人ってなぜだかワイヤレス好き。ケータイのBluetoothヘッドフォンマイクなんてすごく売れてるもの。日本だとほとんどいないですよね? SFチックなところがかっこよく映っているみたいですよ(笑い)。
清水 それからマルチタッチ。これは絶対来ると思いますね。Windows 7にも搭載されるということですし、どんどん普及してくると思います。コンピュータの形状を変える可能性がある。
高須賀 発展途上国向けに配布される「OLPC(One Laptop per Child)」の次期モデルにもマルチタッチが搭載されるそうですね。
清水 マルチタッチのおもしろいところは、この有用性をまだ誰も見つけられていないところだと思うんです。その「気づかれていない」部分にすごくチャンスを感じています。ケータイのときもそうでした。ケータイでネットが見られる、ということは早くから周知されていたことなんですけど、それをどうやってビジネスにするのかわかっていなかった。「みんなそんなに真面目にやらなくていいのか?」と思ったから僕は真面目に取り組んだんです(笑い)。
高須賀 清水さんは真面目とか言ってますけど、みんな何をやったらいいのかわからないんだと思いますよ。大企業の中でも先の見えている人はいるのかもしれないけど、組織が大きくなると人も増えて細かい身動きが取れなくなるから。結局どうしようもないことをしてしまう。
清水 ああ、「他の人の顔を立てなきゃ」みたいな動きになることってありますよね。
高須賀 だから清水さんみたいにとがった人が1人で踏み込んでいったほうが、チャンスに勝てるんですよね。
清水 僕みたいな人間にとっては、そういうチャンスは逃したくないですよね。
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