このページの本文へ

キャリア・ピックアップ 第50回

世界に通用するためのスキル

アフガンで装甲車と対峙 ビジネスマンの健全な狂気とは

2008年07月01日 04時00分更新

文● 稲垣章(大空出版)

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

コンサルタントなのに、髪型がブルースリー

 吉田さんは、今でも自分の見聞を広めるために、年末年始などを利用して海外を旅行し、すでに130カ国以上を訪れているという。なかなか普通の人が真似するのは難しいとも言えるだろうが、参考にしたいのは、いついかなる時も吉田さんが国際的ビジネスマンとしての“眼差し”を持っているという点だろう。

「新しい国を訪れる際、いつも地元の床屋で髪の毛を切ることにしています。床屋では髪を切ってもらっている間に暇になるので、会話をしますよね。すると、旅行ガイドブックに載っていない、その国の普通の人々が抱える問題や経済状況を知ることができます。あと、その国の仕事の進め方もだいたい見えてきます。床屋では、経営者と使用人のやり取りから上下関係の厳しさを垣間見ることができるし、床屋を見渡すだけでもその国の衛生度合いが分かります。アフリカ西部にあるマリ共和国では、前髪をブルース・リーみたいにまっすぐ切られてしまいましたけどね(笑)。また、もう1つは旅行先に旧日本軍の戦跡あれば、必ず足を運びます。私は、旧日本軍の第二次世界大戦での成功と失敗が、現在の日本企業の強みと弱みを分析する際の参考になると考えていて、コンサルティングの仕事に生かせるからです」

 実際に吉田さんは、これらの旅のエピソードを新入社員にコンサルタントに必要な要素を伝える際にも引き合いに出すそうだ。どのように新入社員に伝えているのだろうか。

「これらの話を通して、何でもチャレンジすることの大切さを知ってもらいます。もちろん、体験することだけに意義があるのではなく、体験を通じた自分独自の視点に基づく観察が重要です。また、人がやっていない体験を話すことで、クライアントにも個人として『おもしろい人だ』と思ってもらえるので、その後の仕事が円滑に進むこと。前髪の話では、笑い話にしながら、リスク管理が大切だと知らせられるということでしょうか(笑)」

カテゴリートップへ

この連載の記事

アスキー・ビジネスセレクション

ASCII.jp ビジネスヘッドライン

ピックアップ