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「WWDC 2008」総括(その4)

iPhone「App Store」の秘めたる可能性

2008年06月30日 11時00分更新

文● トレンド編集部、語り●林信行

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「Jailbreak」出身でも基調講演で紹介


 筑波大学系の学生ベンチャー、ニューフォレスターが作ったiPhone用DJソフトもよくできていましたね。


IPJ, iPhone DJ App Demo in front of Apple Store



[ IPJ ] iPhone DJ Apps Event with Street B-Boys


 彼らは今回、WWDCに参加しようと思ったけれど、チケットが売り切れてしまっていた。それでもとりあえず開催地であるサンフランシスコに来てしまって、市内の名所やWWDCの会場前でストリートパフォーマンスとして自社のiPhone用ソフトを披露していました。そのうち黒人ダンサーの1人が彼らのソフトに惚れ込んで、自らマーケティング担当を名乗り出てくれたんです。


── それは米国らしいエピソードですね(笑)

 現地のコピー屋でノボリやチラシを印刷してくれたおかげで、結構、注目を集めていました。彼らは本当にスゴい。「日本の学生ベンチャーでも根性のあるところは、米国に全然負けていないな」と思わされました。


── そのほか、日本に限らず目立ったiPhone用アプリはありますか?

 今回、スティーブ・ジョブズはWWDCの基調講演で、11社12個のiPhone用アプリを紹介していました。その中でも、かなり会場ウケがよく、目立っていたアプリケーションのひとつにMoo Cow Musicの「Band」があります(関連リンク)。


MooCowMusic:Band


 これは元々、Jailbreak環境用として作られていたソフトです。でもそうした経緯で生まれたものでも、内容がよければ基調講演という晴れ舞台で紹介してくれるという前例ができたわけだから、とりあえずは、目の肥えているJailbreak環境のユーザーに試してもらって、そこから正規のApp Storeを狙うという道もあるのかもしれません。

 ちなみに今回のWWDCの基調講演ではまったく触れられなかったJailbreak環境について、アップルは今後どう対処するのか。これは個人的に今、iPhone 2.0で一番気になっているところです。

Jailbreak 「脱獄」という意味。iPodをハックして、サードパーティー製ソフトをインストールするなど、標準で使えない機能を使えるようにするツール。

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