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日本語入力ソフト

レビュー:ATOK 2008 for Mac[プレミアム]

2008年06月28日 15時00分更新

文● 池田冬彦

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変換精度がさらに高まり再変換のロスが減った


 ATOK 2008とLeopardの「ことえり」の変換精度を比較した。新聞記事の中から100文字程度を抜き出して、連文節変換で句点の「。」の部分まで変換し、誤変換の度合いを調べた。その結果、両ソフトには大きな差は見られなかった。

エラー個所 「スペース」キーを押した回数
全国紙コラム(100文字) ことえり 2 3
ATOK 2 4
エラー個所 「スペース」キーを押した回数
技術論文(100文字) ことえり 4 6
ATOK 2 2
新聞コラムを入力した場合、両者はほぼ互角。技術論文ではATOKのエラー率・訂正の手間が少なかったものの、極端な誤変換は少ない

 しかし、詳細に見ていくと、ことえりの弱点がわかる。(1)「去年に比べ高い水準だ」、(2)「君のハンドルネームを彦左衛門にしよう」、(3)「おいら宇宙人と交信できればいいのに」──という3つの例文で比較してみよう。

ことえりでは文脈がうまく解析されておらず、「右矢印」キー1回/「スペース」キー6回で修正した(左)。それに対してATOKは、問題なく変換できた(右)

ことえりでは「彦」「左衛門」を正しく変換できなかった(左)。この状況では再変換できず、それぞれ単独で変換し直す必要があった。ATOKは問題なしだ(右)

ことえりでは「こうしん」の文脈の解析ができなかった(左)。「右矢印」キー2回/「スペース」キー1回で「更新」を修正する必要があった。ATOKでは文脈を正しく解析していることがわかる(右)

 (1)は語句の区切りが認識されない。(2)はことえりでは「左衛門」というワードが辞書に未収録。(3)についても、うまく変換できなかった。このように、ことえりの精度は上がっているものの、ATOKの変換精度は依然高いということがわかる。


【Conclusion】
○  辞書の語彙が増え、電子辞書も最新版のデータが使用できる。文章作成の機会が多いユーザなら2007からアップグレードする価値は高い。

×  誤りやすいカタカタ語の指摘機能が強化されたが、本来は誤りなのに誤用が広がってしまっている語句を指摘しないのは、中途半端な印象を受ける。

(MacPeople 2008年8月号より転載)


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