このページの本文へ

前へ 1 2 次へ

キヤノンソフトウェアの「Web Plant」がもたらす業務改善

1日仕事が2時間になる!ワークフロー構築ツール

2008年06月27日 17時42分更新

文● 西川仁朗/アスキーネタ帳編集部

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

「経営に役立つシステム」とは単なる承認のワークフローを改善するだけではなく、生産工程管理を行ない、業務プロセスを改善することで、会社全体の利益に寄与すること。また、「複雑なプロセスを可視化できること」とは、同時進行する生産ラインの調整や対外交渉などを効率的に処理し、お互いの部署と連携しながらスムーズに動かす工程管理システムであること。

 さらに、成冨氏は「何かしたいことがあるたびに外部に依頼し、案件定義をしてから製作してもらうツールでは使えない」と感じていた。いくら初期導入コストが低くても、ランニングコストがかかってしまうし、業務プロセスの見直しが進まない要因になるからだ。したがって、社内の人間が使いこなすためには、「プログラミング経験のない人間でも開発できる」ツールでなければならなかった。そのような3つの選定基準をクリアしたのが、Web Plantだったのである。

左は「Web Plant V1.1.0」のプロセス設計画面。右はココロが自社で開発した依頼書

 実際、ココロではプログラミングを一切やったことがない担当者を含む5人が3日間の基本的な講習を受けて、Web Plantによる業務プロセスの設計や依頼書や申請書の開発を行なっている。


Web Plantをデータマーケティングにつなげる


 では、Web Plantを導入したことにより、どのような成果があったのだろうか。成冨氏は「決裁や業務連絡のスピードが向上した」ことを強調する。

「Web Plantを導入したことで、情報の流通速度が向上しました。特に誰かのところで承認が滞る問題が改善され、業務プロセスによっては、それまで1日かかっていたような承認がわずか2時間で行なえるようになりました」(成冨氏)

 さらに、社内の勘定系システムとWeb Plantが紐づいており、「承認のプロセスに原価や見積もりを必須項目として入れるようにしたことで、社員のコスト意識も向上している」と成冨氏は述べる。ヒト・モノ・カネの動きをきめ細かく管理できる環境が、社員の意識に変革をもたらしているようだ。

 また、ココロは今後Web Plantをデータマーケティングに活用していく。同社は全国で1500台展開しているショップロボットのオペレーション管理にWeb Plantを利用しており、「これらの情報を集計して、販売機別、店舗別、地域別の売上分析や顧客の声を探り、営業の次のアクションプランに繋げていきたい」と成冨氏は抱負を述べる。

ポップコーンの自動販売機「ショップロボット」

ポップコーンの自動販売機「ショップロボット」のマーケティングにWeb Plantを繋げていく

 同社は2008年2月にWeb Plantを導入してからまだ4カ月弱だが「今秋にはデータマーケティングの成果が出てくるようにしたい」(成冨氏)と考えている。

前へ 1 2 次へ

カテゴリートップへ