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西田 宗千佳のBeyond the Mobile 第4回

華より実──プレミアムモバイル「LOOX R」が究めた上質とは

2008年06月26日 11時00分更新

文● 西田 宗千佳

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省電力設定は「ワンタッチボタン」で 切り換えが可能に

キーボードの上に並ぶワンタッチボタン

キーボードの上に並ぶ「ワンタッチボタン」。キーに割り付ける機能は自由にカスタマイズできる

 LOOX Rは最近のモバイルノートには珍しく、「ワンタッチボタン」が組み込まれている点にも注目したい。デフォルトでは「ヘルプ」「省電力切り換え」「プレゼンテーション用設定」「インターネット」といった機能が割り振られているが、もちろん設定変更も可能。中でも特に便利だと感じたのが省電力機能のボタンだ。

 現在のモバイルノートでは、光学ドライブやメモリーカードスロット、無線LANといった各コンポーネントの電源を細かく切ることで、トータルでの消費電力を抑えるのが一般的だ。バッテリー動作時に自動切り替えを行なう、という動作が一般的だが、LOOX Rの場合には、「省電力ボタンを押した時の設定」も用意して、ユーザーがワンボタンで任意に切り換えられる。初期設定では、光学ドライブから無線LAN、USBまですべての周辺パーツの電源を切るという設定となっている。もちろん、なにをオフにするかはユーザーが決められる。

ワンタッチボタンによる省電力機能設定

ワンタッチボタンによる省電力機能設定。シンプルに、「どの機能をオフにするか」を選べるため、迷わず設定可能だ

 これにより、「特にバッテリーを保たせたい時」や「バッテリーよりもAV性能を重視したい時」という任意の設定を用意できるので、モバイルノート活用の幅が広がると考えられる。

 今回はこれを利用し、無線LAN以外の各種インターフェースをすべてオフにした場合と、オンのままの場合、それに省電力機能をほとんど働かせない場合の3パターンで、バッテリー駆動時間のチェックを行なった(表2 ベンチマークソフト「BBench」を使用)。

 なお、液晶バックライトの輝度を「下から3番目」に設定しているが、それ以下では画面がほとんど見えず、暗闇の中以外では実用性が乏しいと判断したためである。

バッテリー駆動時間の計測結果

表2 バッテリー駆動時間の計測結果。省電力設定1:動的CPUクロック制御、光学ドライブ/メモリーカード/USBなど電源オフ、バックライト輝度3段目。省電力設定2:動的CPUクロック制御、バックライト輝度3段目。フルパワー設定:CPUクロック最高、バックライト最高輝度

 結果は表2の通り。無線LANのバッテリー負荷が比較的高いこともあってか、カタログで謳われている「最大10時間動作」からは大きく及ばない結果となった。しかし、無線LANでアクセスし続けて4時間半駆動したというのは、決して悪い数字ではない。第1回で採り上げた「LaVie J LJ750/MH」(省電力設定で約4時間6分)に比べても大差ない。現行世代のCentrino対応ノートで、同じような重量のモバイルノートを設計した場合、「最大限に通信を行うと3時間半から4時間半」というのは、おそらく標準的な値なのだろう。

 一方で、各種インターフェースをオフにした効果は、さほど大きなものではなかった。10%は伸びない、というところだろうか。状況によって異なるだろうが、「神経質にデバイスの電源を切る必然性は薄い」ということになるだろう。前出の「省電力ボタン」は、自分好みの設定を覚えておくもの、と考えるのがよさそうだ。

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