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徹底解明! 世界に誇る潜水調査船【後編】

「しんかい6500」にとにかく乗ってみた!

2008年07月02日 13時47分更新

文● 丸子 かおり

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「人間の眼で地球の一番深い部分くらい見ないとダメでしょう!」


 深海の生物と宇宙生物の可能性がつながっているのにはびっくりしたし、地球にはまだまだ未知の部分が多いのだと思った。人間はまだ地球のすべてを知っているとは言いがたい。

 最後に今後のしんかい6500の可能性を聞いてみた。

よこすかとしんかい6500の中を案内し、いろいろお話をしてくださった櫻井さん(右)と松本さん(左)

 しんかい6500はすでに1000回以上潜航している。「初潜航から18年経ちますが、もっと深く潜る最新型は出ないのですか?」と聞いてみたところ、まだまだ現役で使っていくという。深度6500mの世界にはまだまだ残された謎が多いそうだ。櫻井さんは「個人的には地球最深の深さに潜れるフルデプス(full depth)の潜水船ができたらいいなと思う気持ちはあります。そうすれば、地球上で一番深いマリアナ海溝の底を見ることができます。人間は人間の眼で、地球の一番深い部分くらい見ないとダメでしょう! しんかい2000でシロウリガイを初めて見たときはショックでした。なんでこんなにたくさん貝がいるんだろうと。いまは司令という立場からしんかいに乗る機会がありませんが、新しい発見にまた立ち会ってみたい」とおっしゃっていた。確かに。海底は宇宙同様、人類にとっていまだ未知のフロンティアだ。これまで1000回以上潜航してもまだ多くの謎が残ると櫻井さんはいう。

深海の環境下に生息するシロウリガイの貝殻。しんかいで採集した資料だ

深海の環境下に生息するシロウリガイの貝殻。しんかいで採集した資料だ

 JAMSTECでは有人のしんかい6500の他に「ハイパードルフィン」「かいこう7000Ⅱ」などの無人探査機なども使い、深海の調査、研究を行なっている。6月初めに開発中の大深度小型無人探査機「ABISMO」で、マリアナ海溝チャレンジャー海淵の試料の採取にも成功した。海洋科学の分野で、日本は世界トップクラス。また今後、新しい発見や、海洋や地球について新たな知見が得られると期待できるだろう。しんかい6500のこれからの活躍が楽しみだ

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