しんかい6500に興奮しっぱなし
しんかい6500の前面だけでも、その働きを聞いてドキドキしていたが、横に回ってみたら、外皮が外されていてバッテリーがむき出しになっているのが見えた。実はこのバッテリー、当初は宇宙開発にも使われている酸化銀亜鉛電池という電池を使っていたのだそうだけど、15回に1回の活性化放電作業(完全放電状態)、30回に1回の電解液の補充など手間がかかり長期の調査航海には不向きだった。そこで携帯電話でもおなじみのリチウムイオン電池を深海用に研究開発し、電池メンテナンスの手間を減らしたという秘話があったのだ。
また、しんかいの後部にはプロペラはあっても舵がない。それは深海での航行が0.5ノット。人間で言うと早歩きの速さなため、舵がなくてもプロペラの方向を曲げることで進路を変えることができるのだとか。
そしてしんかい6500を着水させるには、「よこすか」の後部にある青いクレーン「Aフレームクレーン」を使用。しんかい6500を吊上げた状態で水面側に倒れ、着水させるのだ。
と、しんかい6500の見学と取材がこれで終わるかと思われたかもしれないが、実は意外な展開と地球の神秘を感じさせる驚きの話が待っていたのだ。続きは後編にて。