画質と音質はバツグンのDIGA
編集やダビングといった機能は必要最低限な同シリーズだが、レコーダーの画質・音質という点では他社に負けていない。誰でも分かりやすく設定できるように選択肢は少なく、それでいて補正機能は抜群に優秀と、いいとこどりの1台なのだ。
例えば「HDオプティマイザー」は、ノイズ低減とディテール強調の両方をバランス良く行なう高画質化機能だが、選択肢は「入」と「切」だけ。これは、映像に合わせて最適なノイズ低減効果を自動で行なうためだ。
ノイズの少ない映像ではディテールをしっかりと出し、ノイズが気になる場合でも、ディテールが甘くなるのを最小限に抑えているため、常時「入」のままでも問題なく使用できる。
さらに音声メニューでの「音質効果」機能が素晴らしい。これはデジタル放送のAAC音声など、情報圧縮で欠落した音声信号の情報を復元する高音質機能だ。音楽番組などで気になる弦楽器の響きの余韻や音のツヤなどがかなりの割合で蘇る。デジタル放送だけでなくDVDソフトのサラウンド音声でも効果が大きいので、ぜひとも試してみてほしい。
長時間モードの実力は最優秀。ノイズも最小限で見やすい映像
編集部の用意したテスト用のハイビジョン映像で、オリジナル画質とHEモードの画質差も比較してみた。オリジナルと比べ、HEモードは全体にややソフトな画質になっているが、ディテール感などはしっかりと残っていることが分かるだろう。
なにより、MPEG-4 AVCの長時間モードで目立ちやすい、不自然なノイズや動きの激しい部分だけがボケたような映像になってしまうことがあまりない。BDに残したい番組などは劣化のないダイレクト録画(DRモード)を選びたいが、ニュース番組など「見終わったら消す」タイプの番組なら、HEモードでまったく問題ないだろう。
MPEG-4 AVCのエンコーダーは各社ともまだ改良の余地を感じるが、現時点においては、パナソニックのものがもっとも優秀だと言える。
【まとめ】 多くの人にとって使いやすく、実力の点では最優秀
注目度が高まっているBDレコーダーだが、今のところはあくまでも、AV機器に関心のあるユーザーが主体で、一般的なユーザーへ普及していくのはこれからだろう。その意味では、一歩踏み込んだユーザーにとっては機能的な物足りなさを感じる部分も多い。
本機の場合は、シングルチューナーで2番組同時録画ができないこともあり、どちらかと言えばビギナー向けだ。その分、やはり使い勝手はかなりよく出来ていて、日常的に使っていて不満を感じることも少ない。特に番組表の表示やメニュー操作の反応もよく、ストレスなく使える点はさすがの一言だ。
はじめてBDレコーダーを選ぶ人にとっては、最適なお買い得モデルと言えるだろう。
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