お勧め書籍紹介
―――では最後に、お二人の現在注目する本を紹介していただきたいのですが。
まつもと:かなり前に読んだもので、すごく好きなのはサミュエル・R・ディレーニイの『バベル17』(岡部宏之訳、早川書房)ですね。どこがいいのかを言うと、ネタバレになってしまいますね(笑)。最初に読んだのは高校生のときで、私が『言語好き』になった原点でもあると思います。
コンピュータ関係で最近よんだ本は、『プログラミングErlang』(Joe Armstrong著、榊原一矢訳、オーム社)、『ふつうのHaskellプログラミング』(青木 峰郎監修、山下 伸夫著、ソフトバンククリエイティブ)です。関数型言語や並列言語など新しい言語にはどうしても魅かれますね。
森:僕もSF大好きで、SFの話をしだすと終わらなくなってしまいます(笑)。最近読んだ本でお勧めは『タンジブル・ビット─情報の感触・情報の気配』(石井 裕著、NTT出版)と『The Laws of Simplicity』(邦訳『シンプリシティの法則』、ジョン・マエダ、東洋経済新報社)です。どちらも石井裕教授にお会いしたときにいただいた本です。
『タンジブル・ビット─情報の感触・情報の気配』は、石井教授のタンジブル・ビットのコンセプトやプロジェクトを解説した本で、現在のマウスやGUIといったコンピュータインターフェースとは、まったく異なったインターフェースを創るというものです。『The Laws of Simplicity』は、「シンプルさ」についての普遍的な本なので、システムやビジネスを学ぶためにも、アートとしても読める非常におもしろい本ですね。英語も簡単で読みやすかったです。
全3回を通して、Rubyを使ってのROMAとfairy開発の現状や特徴、そして森氏とまつもと氏のバックボーンにも触れることができた。Ruby会議で公開されるROMA、fairyとも、もう少し形が見えてきたら何らかの形で公開したり、公開プロジェクト化したりすることも想定しているそうだ。楽天森氏とまつもと氏のコラボレーションによって、そのようなRoma、fairyが完成するのか。そして、私たちの生活をどのように変えてくれるのか、非常に楽しみだ。
- ■取材協力
楽天(株)
日本Ruby会議2008サイト
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