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キャリア・ピックアップ 第49回

楽天×まつもとゆきひろで世界はどう変わる? 後編

2008年06月23日 04時00分更新

文● 塩田紳二

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代替可能でない自分になるべき

―――まつもとさんは、ネットワーク応用通信研究所と楽天技術研究所のフェローを兼任されています。読者の中にはまつもとさんのように「フェローになってみたい!」と憧れを持っている方もいるかもしれません。フェローになるにはどうしたらいいのでしょうか?

まつもと:上司から命ぜられて、フェローになるわけじゃないですからね。まず「代替可能でない自分」というのが大事だと思います。新入社員の時、1人1人は何者でもないですよね。例えば、営業部から開発部に異動することもあるでしょう。これは、代替が可能な人材だということです。

 それに対して、僕の代わりにRubyの開発をできる人材はいません。これが「代替可能でない自分」だと思います。僕はいい社員ではありませんでした。でも、少なくとも、ほかの人で置き換えられないような存在であろうとしていました。Rubyの開発には、多くの時間と手間をかけて蓄積してきたものがあります。それが「代替可能でない自分」の源になっていると思います。

まつもとさんは主将で、森さんはマネージャ

―――現在、Rubyの開発にはどれぐらいのパフォーマンスをあてているのですか?

まつもと:気持ちとしてはすべてです。ただ、実際はなかなか時間を使えなくて……。そこで、「1日1ハック」という目標を立てています。「1日1回はRuby、もしくはプログラムを触ろう」と。「最近プログラムしてなくてさぁ」という人によく会いますけど、僕は現役を終わりたくないので。

―――お二人は、お互いをどのように捉えているのですか?

まつもと:関係性は、森さんは僕の上司ですかね。

森:上司ですか? 僕は、「ROMA、fairy」というチームがあって、まつもとさんはチームの主将、僕はマネージャという感じなのですが……(笑)。

まつもと:僕はお客さん相手の商売をしたことがありません。それに対して、森さんは前職(コンサルティング会社)でのお客さん相手の仕事経験が豊富です。なので、お客さん相手の仕事のことなどを聞ききたいなと、思っていますね。森さんは、いろいろな話を持っていておもしろいですよ。

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