北京オリンピックが開催される今年。大型スポーツイベントを前に薄型テレビ市場で異変が起きていることがBCNの調査で判明した。
需要の谷間が年末商戦を超えた
まず、例年であれば5、6月はデジタル家電の需要の谷間となり、ボーナス商戦を前にしてあまり製品が売れない時期となる。しかし今年は販売台数、販売金額ともに2007年の年末商戦を上回った。
5月は液晶テレビの販売台数が前年同期比128.4%とプラス成長となり、6月(15日までの集計)は液晶テレビが133.8%、プラズマテレビも150.5%と大幅な躍進を遂げている。
特にプラズマは5月まで販売金額ベースで前年度を割り込んでいたが、6月は今のところ114.6%のプラスとなっている。BCNではこの右肩上がりのペースは7月まで続く見込みとしており、7月は販売台数で140%程度、金額ベースで130%程度になると予測している。
液晶とプラズマの常識が覆る
次に、大型=プラズマテレビ、中、小型=液晶テレビというのが売れ筋の常識だが、6月は現在のところ(前年同期比との)販売台数の伸び率で逆転している。
6月に伸び率が最も高い液晶テレビは50型以上となっているが、対してプラズマテレビは40~50型の伸びが顕著。共に前年同期比で200%を超える成長率になっている。
ただしこれはあくまで伸び率の話で、実際の売れ筋ランキング上位は液晶テレビが20~37型、プラズマテレビが37~42型となっている。
ちなみにメーカー別販売台数シェアは、液晶テレビはシャープ「AQUOS」が群を抜いており6月には全体の54%にまでなっている。
一方のプラズマテレビは、パナソニックの「VIERA」がトップシェアとなっているものの、日立の「Wooo」も徐々に追い上げている。今年1月の時点でVIERAが72.1%、Woooが26.5%の割合だったが、6月はVIERAが62.4%、Woooが35.9%となっている。
五輪を前にしたこの1ヵ月が勝負?
メーカーのシェア争いや液晶、プラズマの割合の変化など、7月に向けてまだまだテレビ市場は過熱しそう。世界的スポーツイベントの威力を始まる前から見せつけられた感じだが、オグシオの活躍の前に薄型テレビの動向に目が離せない。