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テクノドリームI:工学~それは夢を実現する体系

東大工学部で富野節が炸裂!ロボットの開発なんかやめましょう!

2008年06月17日 13時00分更新

文● 吉川大郎/アスキーネタ帳編集部

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富野氏のことばその8 「諸君の活力に期待するところであります。ジー(ク)……」

━━最後にシメの言葉をと促されて━━

富野氏 国際性を身につけろと言う意義、ハリウッド映画はなぜグローバルスタンダードになり得たのかというと、重要なのは、いろんな民族が1つの場に集まって作らざるをえなかった映画産業という構造があったと思っています。そうすると、言葉は通じないんだけれども、共通のテーマ、共通の物語、分かるような物語構造を作らなくてはいけなかったという研鑽があったと思っています。グローバルスタンダードというのはつまり、一つの民族の一つの趣味の、“オマエ”程度の趣味の、という押し付けだけでは絶対に獲得できるモノではない。

 技術なりアートなり、あらゆる表現というものは、多くの人に享受されてこそ表現であるならば、基本的にいろいろな民族の、ミックスカルチャーの上に立ったグローバルスタンダードを確立していかなければならない。すると日本は、少なくとも明治以来文化を概念的には列島の上にきちんと併存させることができた国家なんです。そしてその国家を支えてきた我々が、その歴史的な融合論を持ったうえで、21世紀後の、つまり循環系に対応していくグローバルスタンダードの技術なりアートを提供していくことが出来るのではないかと思っています。そういう意味では、諸君の活力に期待するところであります。ジー(ク)……。(会場大拍手)

●富野由悠季氏と東大がコラボ企画を!

 本対談中、東大教授陣から富野氏に対し、将来の地球や日本がどうなるか、映像メディアを駆使して発信してくようなコラボレーションプロジェクトをしたいと持ちかけられた。事前打ち合わせにはなかった申し出に対して、富野氏は「身に余るご提案でびっくりしている」としながらも、快諾した。「僕にそれに対応できる能力があるとは思えないのですけれども、本当に面白がっちゃう人なので、こんな僕でもよろしければ、というのは、外交辞令でも謙遜でもありません。お手伝いさせていただければ嬉しく思います」(富野氏)。詳細はこれからなのだろうが、今回の対談は工学というよりも科学の立ち位置、日本と世界の関わりなど、今後の世界のあり方を問うテーマばかりだっただけに、コラボレーションプロジェクトの成果に期待したい。

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