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松村太郎の「ケータイが語る、ミクロな魅力」 第27回

iPhoneとパソコンを結ぶ「MobileMe」

2008年06月13日 11時00分更新

文● 松村太郎/慶應義塾大学SFC研究所 上席所員、写真●林信行

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ひとりの生活に、ひとつのデータベース


MobileMeのパッケージ

 iPhoneと同時に発表された.Macの進化版、MobileMeは、デスクトップでも出先でも、「同じひとつのインターネット」を便利に使うためのウェブサービスという位置付けになる。

 auは、au oneのメールなどの各種サービスで、ケータイの情報をウェブ上でバックアップする、という仕組みを作っているが、やはりメールやウェブにおけるケータイとパソコンの関係性を変えるものではない。

 ケータイメールでは当たり前のように新着メールは勝手に端末に届いてくれて便利だが、iPhoneとMobileMeのメールを組み合わせると、PCメールのアドレスでもメールを端末までプッシュしてくれる。また、スケジュールを設定したら、瞬時にデスクトップやウェブアプリのスケジュールにも反映されるし、アドレス帳だって瞬時に同期してくれる。

 iPhoneやウェブブラウザ、MacやPC、どこで更新しても、常にどこでも最新の情報で統一される。ケータイとPCという区分けはない、ひとりの生活にはひとつのデータベースがあればいいというシンプルな考え方で、その利便性を追求したサービスがiPhoneとMobileMeの組み合わせだ。

 MobileMeが年間99ドルという少々高い価格で提供される点、そして日本のケータイが作っているライフスタイルとはアプローチがまったく違う点で、上に描いたスタイルをありがたく受け入れるユーザーが日本にあふれ返るとは思わない。しかしながら、パソコンを普段から思い切り使いこなしているユーザーが持つケータイとしては、相応しいサービスと言えるのではないか。

 これまでケータイとパソコンという端末によって器用にネットを使い分けていた日本では、よりシンプルにひとつのネットを複数の端末で快適に使えるようになる。個人が持っている情報を端末の垣根から解放してくれるMobileMe。われわれ日本人にとっては、モバイルで使う「ネットの自由さ」の合い言葉になるかもしれない

アップルのスティーブ・ジョブズCEOとMobileMe


筆者紹介──松村太郎


ジャーナル・コラムニスト、クリエイティブ・プランナー、DJ。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)。ライフスタイルとパーソナルメディア(ウェブ/モバイル)の関係性について探求している。近著に「できるポケット+ iPhoto & iMovieで写真と動画を見る・遊ぶ・共有する本 iLife'08対応」(インプレスジャパン刊)。自身のブログはTAROSITE.NET



*次回は6月19日掲載予定


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