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メジャーなビジネスのマイナーな事情

アキバ発アイドル撮影会を追え!(後編)

2008年06月18日 08時00分更新

文● 鈴木隆祐

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撮影会盛況の理由は送り手と受け手の垣根の解消


 Aスタのようなアキバ撮影会の先行例の中には、いわゆるU-15系アイドルを大量に抱えるタスクオフィスの営みもある。同社も、中島輔社長の娘でもある長身のグラドル・しほの涼、赤松恵・悠・唯の巨乳三姉妹のブレイクで、かなり知られてきたが、現在でも「emmys」という部門で撮影会ビジネスを展開しており、専属タレントが多数出演している。

 「これなど参加人数がかなりになるので、1回で相当の収益なのでは?」と語るのは、某ベテラングラビアカメラマンの談。

「何度も同じアイドルの撮影会に駆けつけることで、徐々に仲良くなっていくのが楽しい」とはある撮影会の参加者の声。確かにこんな子と仲良くなれるのは嬉しいかも

 アイドル冬の時代を迎えても、グラドルは高値安定だったが、それすら個々の銘柄の持続力はぐんと落ち、再びアイドルとは何かが問われている現在。それはファンにとってばかりか、アイドル志願者にとっても同じくで、アキバや“萌え”系と称されるアイドルの到来で、ますますプレイとしてのアイドルが認められてきた気がする。

 では、こうしたビジネスモデルを誰が考えたのか? 恐らく先発組で、レースクイーン(RQ)撮影などのノウハウを持ったプロダクションの「しきたりに倣ったのでは」というのが柳田さんの読み。吉岡美穂(彼女もRQだった)や辰巳奈都子を擁するワンエイトはいまだに自社タレントを使って撮影会を行なっており、旧アバンギャルド(眞鍋かをりや小倉優子が所属する現在のアヴィラ)や、元々は同社と関係の深いアーティストハウス・ピラミッド(熊田曜子、安田美沙子らが所属)は、まだ売れていないタレントを特定の撮影会に貸し出している。

 そもそもそれらプロダクションのタレント育成方針として、DVDリリースからモデル撮影会、そして、時にRQやキャンギャルなどを経験させ、メディア露出(を企む)という流れはほぼ一貫しているようだ。以降、今では中堅以下のプロダクションにとって、撮影会は安定したビジネスになっているのである。

 

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