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TREND Google徹底解剖第1回

基調講演 : Googleがチャレンジする3C+C (1/3)

2008年06月12日 08時00分更新

文●Debian Project 武藤健志

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2008年6月10日、パシフィコ横浜において、Googleが主催する技術開発者向けイベント「Google Developer Day 2008 Japan」が開催された。会場には多数の技術者が集まり、Googleの最新テクノロジーへの関心の高さを伺わせる。ASCII.jpでは今回、Debian公式デベロッパーとして著名な武藤健志氏に特別レポートを寄稿していただいた。まずは、基調講演の模様をお伝えする。(編集部)

Google、パシフィコ横浜をジャック!

Googleオフィスを想起させるGoogleアイテムたち

 パシフィコ横浜のエントランスホールから受け付けを抜けると、そこはGoogleのミニオフィスだった。あちこちに露出するGoogleロゴ、先月米国で開催されたGoogle I/Oの模様を伝える大画面テレビ、行き交う多数の欧米人、無造作に並べられたキューブの椅子、各種のGoogleグッズを飾った棚、そしてフリードリンク。ロビーでは無線LANも利用できる。レストランやプールバーがないことを除けば、ここは何度か目にしたGoogleオフィスの雰囲気にとても似ている。そう、今だけはここはGoogleなのだ!

Googleが志向する3つのC

村上憲郎氏

Google代表取締役の村上憲郎氏

 Google developer Dayは、10時からの基調講演で幕を開ける。1000人を収容するメインホールは盛況な入りだ。トップバッターとして登場したGoogle代表取締役の村上憲郎氏は、Google技術への興味に応えるべく用意したこのイベントが、参加者にとって楽しめて意義あるものとなってくれればと述べた。

 続いて、司会進行も務めるGoogle シニアプロダクトマネージャの及川卓也氏は、Googleがチャレンジする3つのC、すなわちクライアント(Client)コネクティビティ(Connectivity)クラウド(Cloud)を挙げた。

 クライアント(ブラウザ)をパワフルでリッチにすること、コネクティビティをユビキタス化すること、何千何万のWeb環境やリソースであるクラウドへのアクセスをよりしやすくすること。これがGoogleの考える3つのCであり、オープンウェブプラットフォーム上でGoogle、Web開発者、広告業界、ユーザーなど誰もが利益を得られるエコシステムを構成したいと述べた。

Google シニアプロダクトマネージャの及川卓也氏が説明する「3つのC」

 クライアントの例として、及川氏はGearsを紹介する。Gearsはローカルデータベース、ローカルサーバ、ワーカープールから構成され、オフライン状態でもWebアプリケーションを実行できる、オープンソースライセンスのブラウザ拡張だ。及川氏はHTML5標準策定への協力や、OperaおよびWindows Mobileが対応ブラウザに加わったことを述べ、SNSサイトMySpaceがGearsのオフライン機能ではなくブラウザのリッチ化に応用したという事例を挙げて、Gearsの適用範囲の広さを示した。

Gearsはローカルデータベース、ローカルサーバ、ワーカープールから構成される。対応ブラウザは順次拡大される

(次ページへ続く)

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