ロケフリの技術が生きるLiblog Station
ASCII.jp インターネット経由で接続する場合は、IPアドレスの解決はどうやっているのでしょうか。
鞍田 基本はダイナミックDNSです。URLの中にダイナミックDNSのアドレスが書かれています。
まずHS1を買ってきて電源を入れると、UPnPのプロトコルを使ってルーターに通信用の穴を開ける。その後にソニーのダイナミックDNS登録サーバーに、HS1の機器ID(MACアドレス)を登録します。さらに下準備として、弊社のサーバーとお客様の機器とで事前にテスト通信を行ない、外からでも中からでもアクセスできることを確認する。その確認が完了すると、HS1の本体前縁にある「NETSERVER」というランプがつきます。これで準備完了です。
ASCII.jp ランプが付いている状態ならば外からつながりますよ、と。それは分かりやすいですね。そしてPC Linkで一度接続設定をしてしまえば、パソコン上のリンク対象フォルダーにファイルを置くだけで、どこからでもPC Linkが自動で接続してファイルを同期するということですね。
鞍田 そうです。
ASCII.jp これは便利ですね。いちいちファイル共有サービスを使うのに比べて、はるかにスマートです。
技術的には既存のダイナミックDNSを利用しているが、それを徹底的に意識させないでも使えるようになっているわけですね。
鞍田 おっしゃるとおりです。裏では高度なことをやっているのですが、お客様がダイナミックDNSとかを意識せず、手を煩わせない仕組みを考えています。
ASCII.jp 私の住まいも、つい最近光回線を導入したのですが、光回線を生かす有意義な使い方というと、家に外部からアクセスできるホームサーバーかパソコンを用意して、データ交換に使いたいという考えが出てくる。しかし実際にやるとなると、ダイナミックDNSだのなんのという話になって、面倒なんですよね。
そういう手間が家電ライクに解決できるようになると、ホームサーバーというのもより現実的になるかなというのが、実感としてあります。
鞍田 まさにそういったところがポイントです。私はITリテラシーが高いほうなのですが、そういう人間でも面倒くさいんですよね。でも「便利に使いたい」という欲はあって、簡単に使える明確なユースケースや機能を実現したかったですね。
これらの部分は、弊社の「ロケーションフリーチーム」が持っている資産と技術が活用されています。新規開発している部分も多いのですが、すべての技術を今回の商品のためにゼロから作ったわけではありません。
例えば、ベースとなっているUPnPの設定やサーバーテストの項目では、弊社のサーバーからHS1にアクセスして、アクセス状態を調査できます。これについても、ロケフリチームのノウハウを活用しています。
お客様のネットワーク環境って、100人いれば100通りある。それならば、「こういうタイプの場合は、これが一番最速の解決方法です」というのを含めて、サービス・サポートの体制が一番重要なのですが、そういった面が活用されているわけです。