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古田雄介の“顔の見えるインターネット” 第26回

変体を繰り返す「13Hz!」の記憶

2008年06月09日 11時00分更新

文● 古田雄介

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複雑な知恵の輪を解くのが好き


── わくたまさんのブログで特徴的なのは、考察が長くて分析を多めに織り交ぜていることですよね。普通にニュースサイトやるなら、ニュースの概要やちょっとしたコメントを添えるだけもいいのに。その分、紹介点数を増やすとか。

わくたま 特に意識はしていないんですよ。ネットで色んなニュースに触れて、気になった記事があったら、考えを巡らせてババッと書くというのがほとんどでして。サイト運営にかける時間は情報収集を含めて、1日1、2時間なので、その間に書ける範囲ですね。本気でニュースブログに取り組むならもっと方法があると思いますが、もう、自分が書きたいように書くって感じですから。


── さらっと書いた割に、構成がしっかりしていて、さらりと読めるのがすごいです。

わくたま ありがとうございます。最初に務めた会社でパソコン教室のインストラクターをしていたんですが、そこの先輩に、分かりやすく人に伝えることを徹底的に教育されました。それが生きているのかなと思います。なので、SE系の記事を書くときも専門用語は極力使いません。


── なるほど。ちなみに、読者の目は気にしませんか? 自分が分析した意見を読んでもらいたいといった意識はどうでしょう。

わくたま それは確かにありますね。まず、私が採り上げるニュースというのは、話題の大小ではなく、「なんでこうなってしまったのか?」と考えさせてくれるものなんです。よく分析すると、優先順位が入れ替わっていたり、考え方が間違っていたりするもの。京都府警の場合は、47氏の逮捕より、身内の不祥事を謝るのが先だろという気持ちが発端でしたしね。

 そういう、なるべく構図が複雑で、分析しがいがあるニュースが好きなんです。そこで、私が分析した結果を皆に広めたいというか、自慢したくなるんじゃないですかね。多分。


── 確かに、「きんもーっ☆」騒動を採り上げていましたが、ネイサンズを糾弾する方向ではなく、騒動を受けた各方面の反応を分析していましたね(関連リンク)。きんもーっ☆自体は単純な配慮不足が原因だから、分析しても自慢にならない(笑)。

わくたま それはそうですね(笑)。あと、私のポリシーとして、謝ったらそれ以上は言わないというのが大前提であるんですよ。

きんもーっ☆騒動 2005年8月頃、ネットで話題になった事件。ホットドック店「ネイサンズ」が、コミックマーケットに移動式店舗を出店。そこでバイトをしていた女子大生がブログに、「(オタクが)きんもーっ☆」と書いたことで炎上。ネイサンズが公式に謝罪するまでに至った。

2005年8月の記事「スタッフがブログで『大量オタ、きもい!』発言。ネイサンズが公式謝罪」。問題の発言は傍観しながら、周囲の反応に注目しているのが、いかにもわくたま氏らしい

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