楽天時代、三木谷社長からも言われていたこと
武藤さんはこれまでに、Webサービスの業績を上げるポイントとして、“基本をしっかりやる”大切さを強調する。
武藤さんは楽天時代に三木谷社長から「事業はあたりまえのことをやれば、ある程度の成功は必ずできるものだ」と教えられたという。
しかし、得てしてあたりまえのことほど、難しいということもあるだろう。 トラベルズー
「座学の勉強はよく軽んじられますが、実は本での勉強が大切だと私は考えています。問題が起きた時にそれを解決するための道具を知っているといないでは、原因へたどりつくまでの効率が全然違うはずです。例えば、ユーザーの転換率を改善したい、と思ったときにアイドマ(AIDMA)を知っていれば、『興味を持たせるため』の仕掛けが弱いのではないか、など考えを整理することができるかもしれませんよね」
また、読んだ本を身にするためには、できるだけ自分の会社や業務状況に当てはめて、シミュレートすることが大切だと加えた。 考え方が変わったターニングポイント
最後に、34歳という若さにして代表を務めている武藤さんは、キャリアをどのように考えているのでしょうか。
「小さいころから自分で会社をやりたい、社長になりたいと思っていました。でも大卒でコンサルティング会社に入った経験と、自分で会社を興し、そして売却した経験で、その考えは少し変わりましたね。日本で会社を興すということは考えていたより責任が重いな、と気づいたのです
今は、自分で会社を興すのであれば絶対に最後までやり抜いて成功させる、天命だ、と心の底から思える事業でしかやってはいけないと考えいるそう。
「天命だと思える事業に出会わなかったときのために、もう1つ『プロの経営者』というキャリア像を描きました。どんな分野のどんな規模の会社ででも付加価値を創出することができる経営者になりたいと思っています」
「プロの経営者」になるために、武藤さんには心がけていることがあるそうだ。
「常に期待値以上の付加価値を生み続けることができること、それがプロフェッショナルだと思います。そのためには、自分の価値(能力)を知り、やるべき仕事に必要な力量との差を埋める努力をし続けていくことが大切ですね。そうしていくことで、さらにチャレンジングな仕事が生まれていきます。このサイクルを常に回していけば、自らの価値を高めていけると思っています」
- ■取材協力
Travelzoo
この連載の記事
-
第68回
ビジネス
『オバマ現象のからくり』(田中慎一) -
第67回
ビジネス
AMN新社長“ブロガー”徳力氏に聞く -
第66回
ビジネス
「完璧な上司なんて、いませんよ」 -
第65回
ビジネス
フランソワ・デュボワ 『デュボワ思考法』 -
第62回
ビジネス
こんなに差が出た! 30代給料の現実 -
第59回
ビジネス
地下巨大施設! プロジェクトは成功した -
第56回
ビジネス
エンジニアの秘められた家族生活 -
第55回
ビジネス
IT業界で10年泥のように働いてませんよ -
第54回
ビジネス
カシオG'zOneのデザインが変わったワケ -
第52回
ビジネス
“変わり種商品”に隠れたビジネス戦略 -
第52回
ビジネス
日本の家電ベンチャー、異例の存在 - この連載の一覧へ