現場のスタッフが一番知っている
前述のように、武藤さんは事業を不振の原因を究明する際、スタッフとのコミュニケーションを1つのポイントと捉えているという。事業がうまくいっていない問題点が何であるかは、現場にいるスタッフが一番よく知っているものだと考えるからだ。
「事業不振の原因を『これです』とはっきり言える人はいません。そこで、まずはスタッフとの面談からさまざまなインプットを得、1つ1つの面談毎に事業再建のための仮説をブラッシュアップしていくのです」
結局、ロイヤリティーマーケティングを行なう事業の不振の理由は『ジャッジする、責任をとる人の不在』にあったそうだ。
「事業自体にも問題があることが分かりました。事業の問題は、やみくもに提携企業を増やしてビジネスを拡大しようとしていたため、1つ1つの会員組織の利用にバラツキがあり、中には赤字を垂れ流しているだけのユニットもあったのです」
そこで武藤さんは、それぞれの対策として「自分が早くジャッジする(メンバーに責任を押し付けない)」ことと、「ユニットの洗い出しとリソースの再配分」を実行。結果として、業績を改善することができという。
この2つの事業不振への建て直しについてはいわば「あたりまえのことをしっかりとやった」結果だと武藤さんは語る。
「業績がよくない原因をすぐにサービス内容に求める人がいます。でも、それだと、表層の問題点しか見えてこない場合が多いように感じられます。なので、事業を立て直す際には、その表層の問題が起きているのはなぜかを考え、根本的な原因まで遡って考えるように意識しています」
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