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タンバーグのTV会議システムで未来の通信を先取り

相手の視線まで感じる「テレプレ」を体験!

2008年06月04日 19時00分更新

文● 大谷イビサ(ネットワークマガジン編集部)

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相手と握手できそうなテレプレの「臨場感」

 さて、こうしたTV会議システムはまさに「百聞は一見にしかず」である。動きはスムーズなのか? 音声とビデオとのずれはあるのか? 映像はどの程度鮮明なのか? こうした点も含めて、本当にナチュラルコミュニケーションを実現できているのかは、実際に体験してみないとなかなか理解できない。そのため、今回の発表会では30分近くをかけて海外を含めた数拠点を結んだTV会議システムのデモンストレーションが行なわれた。

リモコンを用いて、相手を呼び出す

リモコンを用いて、相手を呼び出す

 最初に行なわれたのは、TV会議端末同士をつないだHDレベルのTV会議。社内や海外拠点の担当者を直接呼び出し、リモコンからTV会議に招集するというデモだ。同社のTV会議端末は、「MultiSite」というオプションにより、数拠点であれば、MCUがなくとも複数拠点のTV会議が実現する。また、「Natural Presenter Package」オプションを使うと資料などを配信することも可能なので、プレゼンテーションなどもスムーズに行なえる。映像のコーデックや配信に利用する帯域は、拠点の数や回線に応じて自動的に調整されていた。

話者の画面を大きくするという分割モードも選択できる

話者の画面を大きくするという分割モードも選択できる

送信側と受信側の帯域やコーデック、暗号化のステータスを表示

送信側と受信側の帯域やコーデック、暗号化のステータスを表示

 次に行なわれたのは、Codian MCUを用いた多拠点のTV会議デモだ。こちらは、WebブラウザベースのCodian MCUの管理ツールを用いることで、中央から参加を招集することになる。ちなみに、MCUの管理ツールは完全に日本語化されているので、操作もわかりやすそうだ。

 極め付けはまさにエグゼクティブのためのTV会議システム「Experia(エクスペリア)」のデモだ。Experiaは4つのディスプレイとHDカメラを搭載した、同社のハイエンド機種。こうしたハイエンド製品を用いると、地理的な格差を埋めるほど高い臨場感のビジュアルコミュニケーションを実現する。これを既存のTV会議システムと区別し、最近では「テレプレゼンス」と呼ぶことも増えている。

4つのディスプレイを備えるExperia。まさに目の前に机が並んでいるようだ

4つのディスプレイを備えるExperia。まさに目の前に机が並んでいるようだ

下のディスプレイにはプレゼンテーションを表示できる

下のディスプレイにはプレゼンテーションを表示できる

 実際にExpreiaのTV会議では、相手の視線や表情までを疑似体験でき、遠隔の拠点にいる(はずの)担当者がまさに目の前にいるという環境を体感できた。実際に場所を移動したり、手を振ったり、プレゼンをしてくれたが、高いレベルといえる。ちなみにエグゼクティブ用のExperiaではリモコンではなく、タッチパネルの端末を用いて操作するそうだ。

 国土が狭く、多くの都市で日帰り出張が可能な日本では、TV会議システムといってもなかなかピンと来ない。しかし、同社によると最近ではグローバルで展開する企業が増え、海外の製造拠点とのやりとりなどに利用されることも多いという。また、出張費の抑制というコスト削減というお題目の他、CO2の削減という「グリーンIT」な目的も達成可能だ。なにより、いったんこうしたビジュアルコミュニケーションに慣れてしまうと、元の音声のみ、テキストのみというコミュニケーションに戻れないというのは、利用者の揃った声である。製品は概して高価であるため、中小企業が一気に導入するのは難しいだろうが、今後検討していきたいソリューションの1つであることは間違いない。

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