また会場には、同社の歴代のHDDが並び、HDDのダウンサイジングの歴史が如実に感じられた。佐藤さんは「弊社のHDDの技術革新や、生産性の拡大といったものは、必ずしも自社だけで行われたのではなく、他社の買収によって他社から得られたものも大きい」と述べた。
製造拠点をいち早くシンガポールに移してコスト削減に務めたり(1982年)、世界初の7200rpm HDD(1992年、これが今日まで続く「バラクーダ」シリーズの初号機)や、世界初の10000rpm HDD(1996年、これが「チータ」シリーズの初号機)、世界初の15000rpm HDD(2000年)を発売したりと、とにかくHDD業界のトップを突き進んできた同社が10億台ものHDDを出荷したのはむべなるかな、なのである。
小林氏は「今後、従来のHDDに加え、ハイブリッドHDDも主力製品となり、結果的にHDD製品の出荷台数は伸び続ける」と話し、次なる10億台が遠くないことを重ねて強調した。なるほど、たしかに現実的には、PCはもちろん、民生機のハードディスクレコーダーのように、HDDを搭載する機器が減ることは考えにくい。デジタルカメラやデジタルプレーヤーなど、メモリ主流になっているデジタル製品は多いが、それらの母艦的存在の記憶媒体といったらやっぱりHDDだよね、という地位は今後もしばらく揺るがないだろう。
そして最後に、小林氏は「シーゲイトブランドから、2008年度中にSSDを販売する予定がある」と告げた。残念ながら発売時期やスペックなどは一切不明だが(教えてくれたっていいのにッ!)、今から登場が待ち遠しいものだ。