4月末、米シーゲイト・テクノロジー社は同社の出荷したハードディスクドライブ(HDD)の出荷台数が10億台に達したと発表した。10億台のHDDの総容量はおよそ7900万TB(テラバイト)!……って言われても、ちょっと想像するのも難しい。
その10億台出荷を記念して、5月30日、同社の日本法人 日本シーゲイト(株)が「ハードディスク今・昔」と題したワークショップを開催した。
「シーゲイトがHDDの生産を開始したのが1979年。実に29年をかけて10億台ものHDDを出荷したことになります。ところが、次の10億台目を出荷するのは、今から5年以内であると予想されています」と話したのは、同社代表取締役 小林 剛氏。そんな話を皮切りに、今まで同社のHDDが歩んできた道のりがとうとうと語られた。
シーゲイト・テクノロジーは、1979年アメリカで5人の創業者がそれぞれ1万ドルを(自腹で!)出し合って設立された。最初の事務所はコンビニの裏だったそうだ。創業当時は、5人の中の中心人物の名前をとって「シュガート・テクノロジー」という社名であったが、翌年に現在の「シーゲイト・テクノロジー」に変更し今に至る――。といってもそんなに平穏な29年だったわけはなく、アメリカ企業にありがちなM&Aの繰り返しによって成功と発展を遂げたのだという。クァンタムがマックストアに買収され、そのマックストアを買収したのがこのシーゲイト・テクノロジーなわけで……。それはともかく、そういう具合にして現在7社に絞られたHDD業界において、トップシェアを誇る規模になった同社なのである。
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