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GS残酷物語

「リッター200円超える」――GS店員に本音を聞いた

2008年06月03日 04時00分更新

文● 西川仁朗/アスキーネタ帳編集部

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「4月に一度価格が下がったから、元に戻ったときに余計ガソリンが高いというイメージを持たれた。前年対比2割くらい落ちている店もザラだよ。これ以上ガソリンが上がるようだったら閉めざるを得ない店も出てくるね。実際この1年間ずいぶん廃業している店が多くなった」(神保町ステーションの所長)

 こういった悲鳴を上げる販売店が多いが、今後のガソリンの価格が下がる兆しは無いのだろうか? これだけ上がったんだからさすがにこのあたりで価格上昇も止まるのではないか? そういった質問を投げかかけたところ、千代田区のある大手GSのマネージャは「よくなる見通しがまったくない。年内に200円は超えるでしょう。実際、石油の元売の人間がそう言ってる」と断言されてしまった。えー、200円!!! 僕が昔原付を乗り回していた高校時代(13~14年前だ)って、ガソリン100円もしませんでしたよ~。同マネージャも「この商売長年やっているけど、200円はさすがに見たことがない」と驚きを隠せないようだ。実際、国道に面し、個人客も多いこのGSではハイオク仕様の車で「レギュラーを入れてくれ」というお客さんが増えているそうだ。それって全然パワー不足なんじゃ……。

 とはいえ、まったく安くならないわけではないらしい。神保町第一ステーションの所長は「セルフで郊外の店なら171円くらいで出しているでしょうけど、お客さんの減少に打撃を受けて少しずつ価格を下げる店も出てくるでしょう」と述べる。おー、なるほど。じゃあ、ちょっと郊外まで足を伸ばせば、安い店も出てくるのかな? 「ただし、それは利幅を減らしてでも販売量を伸ばすための苦肉の策ですよ。販売量がそれほど多くない都心のGSではそれもできない」とため息混じりに言う同所長。つまりこんな状況で他より安い価格を提示するGSは生き残りのためにヤセ我慢を行なって、採算度外視で「最後の聖戦」を戦っているようなのだ。うーん、GSの皆さま、頭が下がります。

 なお、ガソリンの価格比較サイト「gogo.gs」によると、6月1日以降の東京のガソリンの最安値は品川区にあるGSで149円(6月2日時点)。驚異的な安さの裏には「武士は食わねど高楊枝」(ちょっと違うか?)的な、かなりの無理が潜んでいる可能性が高いようだ。

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