情報の利用者から、発信者に
カーナビは地図の更新や各種道路情報の取得など、出荷時に収められたデータではなく、常に新しい情報を得られる「車載情報端末」としての役割が高くなってきた。
もちろん最新かつ豊富な情報が提供されることは重要だが、自分が走った結果がユーザーみんなの利便性に貢献しているのだと考えるのも面白い。単に情報を一方的に受け取るだけではなく、車に乗る人それぞれが情報の発信者になるのである。
スマートループでは、個人個人が情報発信者であるという特徴を活かし、ユーザー同士がさまざまなスポットやルートなどの情報交換を行う場も用意している。同社スマートループ専用サイトでは「スマートループドットログ」と呼ばれる無料の会員ブログを用意し、地図に貼り付ける形でユーザーの投稿を共有できる。
サイバーナビでは、このように充実した地点情報に加え、パソコンとの接続機能によってパソコン側で計画を立てたルートをサイバーナビにダウンロードしてドライブするといった使い方も可能だ。
ドットログでは会員の「生の声」をブログの形式で聞くことができるので、より旅行やドライブの参考にしやすいだろう。また、走行データをもとにエコドライブの評価を行なえる「ドライブレポート」、走行距離や地点情報をもとにした「マイレージサービス」なども予定されている。
カーナビが次のステージに進める、パイオニアのビジョン
カーナビは、基本的にはユーザーが車内で1人で使うものという、ある意味「スタンドアローン」の情報デバイスであった(たとえ移動中にネット接続できても運転中に操作してはならない)。しかし、その姿もこれからは変わっていきそうだ。
さまざまな情報を蓄積、最新の情報に更新、各種情報を受信するだけでなく発信も行ない、さらに使い勝手を高めていくというスマートループの発想は、あらゆるものがネットにつながっていく現代における、車載情報端末の新しい姿のひとつと言えるだろう。
スマートループは、単純なルート検索の向上だけではなく、ドライブをより一層楽しむための情報共有の場である。まだまだ発展途上ではあるが、カーナビを次の段階に進化させるためにパイオニアが取り組んでいる、大きな「ビジョン」なのだ。