「さらに2つのPDFデータの違いを見つけられる機能が備わり、修正できているかをより視覚的に確認できるようになった点もポイントのひとつです」と岩本氏は言う。「文書比較」を実行すると、文字のデータはもちろん、張り付けられた画像の違いまでも判別してくれるため、校正の際に活躍する機能だと言える。デザイナーだけでなく、編集者やライターにも重宝するだろう。
また、「ポートフォリオ」と呼ばれる機能にも注目したい。これは、従来の書類添付機能が発展したもので、PDF自体をデータ保存/整理するためのコンテナとして使用する新機能だ。岩本氏は「作業の終わったデータ類をひとつにまとめて、内容がどのようなものであるかひと目でわかる機能です。可逆の圧縮もされるため、保存スペースの節約にもつながります」と、この機能の活用を促していた。
作成方法も非常に簡単で、MacのFinderの操作と同じような感覚で扱える。そのため、ディスクに保存しておくよりもわかりやすく、効率よくデータを整理できる。
Acrobatによる印刷ワークフローがようやく定着してきた昨今、「Adobe Acrobat 9 Pro」の登場によりますますPDFの活躍する場が増えるに違いない。ドキュメントの校正から印刷、保管までの一連の工程を一括した形式で管理できるAcrobatを利用すれば、煩雑なデータを扱う必要がなくスムーズに作業に取り組めるからだ。印刷関連の仕事に携わるユーザーには大きなメリットを得られるアップデートだろう。
