そこはかとなく自転車の話題をWebで漁ってたら、こんなニュースを見かけた。
「ジェットエンジン搭載自転車で時速50マイル!」(Wired.com)――そんな刺激的な見出しに興味をそそられて見てみると、それはアメリカの少年なら一度は乗るであろうクラシカルな「ビーチクルーザー」タイプの自転車だった。んが! そこに、小型のパルスジェットエンジンが搭載されているではないか!! そこにまたがるオッサンがなんとも幸せそう……。時速50マイルといえば、およそ時速80km。でも、記事では時速75マイル(120km)まではイケる! と豪語してやがります。
しっかし、ジェットエンジンで時速120kmなんてのは邪道でしょ、邪道。だいたい、実際に現代の自転車レースで時速100kmを超える速度で走る選手はザラだったりするし。当然、足でこいで、である。パルスジェット使って時速120キロ~? 男たるもの、足でこげよ、足で! みたいな気がしなくもない(いや、パルスジェットはパルスジェットでそそられるけどね)。
もっとも、それだけの速度が出るのは、自転車レースの中でもロードレース、その中でももっぱらダウンヒル区間に限られる。でも、プロの自転車選手なら平地を時速50~60kmで巡航することなんて珍しくないわけで。
日本が世界に誇るケイリンもかなりのスピードが出る競技だ。ケイリン選手のあのぶっとい足でこぐと、その最高速は時速70kmぐらいに達する。まあ、ケイリンは最終的にトラック1周の瞬発力勝負となる競技なんだけどね。一方、ロードレースの選手ってやつは、1日に200kmも走るようなロードレースの中でコンスタントに時速50kmでこぎ、ときには時速100kmに届く勢いで坂を下る。なんかすごくないすか。
(次ページでそのテクノロジーに迫る!)