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洞爺湖サミット前に子どもサミットが開催

2008年06月13日 13時00分更新

文● 末岡大祐/アスキーネタ帳編集部

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 イベントが始まると、子ども宇宙サミット実行委員長である、岩倉苫小牧市長の挨拶が行なわれ、星出宇宙飛行士と、YAC(日本宇宙少年団)本部長である漫画家の松本零士氏のビデオメッセージが続いた。日本人代表として実際に宇宙へと飛び立つ星出氏、「銀河鉄道999」や「宇宙戦艦ヤマト」など宇宙を舞台にした作品が多い松本氏の両氏の話は説得力があり、子どもたちは真剣に耳を傾けていた。特に松本氏は「21世紀の主役はキミたち」としながらも「これからの地球を守るのもキミたち」と語りかけた。

星出宇宙飛行士(左)と松本零士氏(右)から、激励のメッセージが送られた

エドワード・ジョーンズ氏

 ビデオメッセージが終わると次は基調講演第1弾。「未来の宇宙・地球の未来」と題して、多摩大学研究開発機構・上級研究員のエドワード・ジョーンズ氏が登場し、子供たちにわかりやすく解説するために、CGアニメを利用したプレゼンテーションが行なわれた。アニメは月に住むふたりの女の子が主役で、一人は月で生まれ育ったという設定。そこで、エドワード氏から「この子は何人なのか?」と子どもたちに問いかけがあった。「日本人」「地球人」「宇宙人」「月面人」「エイリアン」など様々な回答がでたが、エドワード氏はあえて明確に言及せず「どれも正解である」と答えた。そして最後に、「月に住むのは遠い未来の話だが、未来の子どもたちのことは、現在の子どもたちがいかにして地球を守るかにかかっている」と参加者たちに訴えかけた。

 基調講演第2弾は「宇宙から見た地球の姿」をテーマに、JAXA宇宙利用ミッション本部地球観測研究センターの松浦直人氏が行なった。松浦氏は、宇宙の人工衛星から地球を見ると、温暖化によって海が広がっていく様子や、アマゾンの森林がどんどん減っていく様子がハッキリわかることを紹介。人の視点からでは見えない環境破壊が進んでおり、特に温暖化には早急に手を打たねばらないと締めくくった。

子ども

基調講演を真面目に聞く子どもたち。講師のみなさんもできるだけ難しい言葉を使わずに話していた

 そして基調講演後は各国の代表によるプレゼンテーションが行なわれた。予定では各国10分程度の持ち時間だったが、皆自国の現状、環境問題を熱く語ったため、時間を大幅にオーバーしてしまうほどだった。どの国もさまざまな問題を抱えているが、特にツバルは温暖化と地盤沈下で、このままではそう遠くない未来に国がなくなってしまうという現状を報告。その深刻さに会場の誰もがショックを受けていたようであった。プレゼン後、子どもたちに話を聞くと「ゴミの分別をキッチリやることから始める」「将来科学技術を勉強して、温暖化を阻止する」など頼もしい意見を聞くことができた。

各国のプレゼンテーションの様子。わざわざ日本語で資料を作ってきた子もいて、参加者たちを驚かせた

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