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塩澤一洋の“Creating Reed, Creative Mass.──大公開時代の羅針盤” 第3回

塩澤一洋の“Creating Reed, Creative Mass.──大公開時代の羅針盤”

プラスを評価する社会

2008年06月08日 15時00分更新

文● 塩澤一洋 イラスト●たかぎ*のぶこ

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 その点、ブログはおおらかだ。人々の日常がそれぞれの視点で語られる。ブログを書くこと自体、時間とエネルギーを使って表現を公開するという、プラスな行為だ。内容的にも、ポジティブでプラスに満ちたブログは、読んでいて気持ちがいい。

 さらに、ブログは一方通行ではない。コメントやトラックバックによって、読者からのフィードバックを受けることができる。ブログがパブリックなショウ・アンド・テルだとすれば、コメントやトラックバックはプラスを評価するシステムだ。特にコメントは誰でも書き込める。自分でブログを書いていない人も、コメントを書くことで、プラスを評価するネットワークに参加することができるのだ。

 当然のことながら、コメントやトラックバックで、マイナス評価を投げかけることもできる。実際、ブログの内容が槍玉に挙がって批判的コメントが集中し、いわゆる「炎上」を引き起こすこともある。しかし、一般的なブログの主たる読者は、内容に共感を抱く人たちだ。そのため、書き込まれるコメントもほんわかとした肯定的なものがほとんどだろう。それらはブログを書き続ける人のインセンティブ(やりがい)にもつながる。

 また、ブログのほかにもオンラインには、写真共有サイトやSNSなど、言葉をかけ合う仕組みが整っている。まさにそれは個人のコントリビューションに対する、プラス評価のやり取りにほかならない。

 互いのコントリビューションをプラス評価し合える社会は、活力あふれる、さわやかな社会だ。ブログやコメントで、プラスなメッセージを送り合おうではないか。


筆者紹介─塩澤一洋


著者近影

「難しいことをやさしくするのが学者の役目、それを面白くするのが教師の役目」がモットーの成蹊大学法学部教授。専門は民法や著作権法などの法律学。表現を追求する過程でMacと出会い、六法全書とともに欠かせぬツールに。2年間、アップルのお膝元であるシリコンバレーに滞在。アップルを生で感じた経験などを生かして、現在の「大公開時代」を説く。



(MacPeople 2006年9月号より転載)


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