「SDカード」といってもいろいろ種類がある!
通常のSDメモリーカードはファイルシステムに「FAT16」を採用しており、容量は最大でも2GBとなる。しかし、最近はハイビジョンビデオカメラや高画素撮影が可能なデジカメで記録媒体としてSDメモリーカードを採用しているものが多く、それよりも大容量のメディアが必要になってきた。
そこで、「FAT32」ファイルシステムを採用した「SDHCメモリーカード」が登場した。形状は同じで上位互換性を持ち、規格上32GBまでの容量を扱うことができる。とはいえ、すでに4GBから32GBまでの製品が登場しており、容量は頭打ちとなっている。この先は低価格化と高速化が進むことになるだろう。
「スピードクラス」表記と「高速タイプ」は別モノ!?
データ転送速度にも注目したい。SDメモリーカードは製品によって転送速度に差があるのだ。例えば、デジカメで使うなら転送速度が速いほどデータを速く書き込めるので連写ができるようになる。パソコンで大容量データをコピーする際には、ダイレクトに時間を短縮できる。
転送速度の目安として「SDスピードクラス」という、転送速度を保証する規格が用意されている。「スピードクラス2」は読み書き時のデータ転送速度が最低2MB/秒、「スピードクラス4」は最低4MB/秒、「スピードクラス6」は最低6MB/秒となっている。
しかし、上記はあくまで最低保証速度であり、お店で「高速タイプ」などと表記されて売られているSDメモリーカードはさらに高速だ。最高で20MB/秒以上の転送速度を謳う製品も登場している。クラス6というだけで高速タイプと判断せず、店頭やパッケージなどでデータ転送速度を確認したほうがいいだろう。
「microSD」にするという選択肢も
ケータイやPDAなどのコンパクトなデバイス向けに、SDメモリーカードよりもコンパクトなサイズの「miniSDカード」や「microSDカード」というメディアも用意されている。
miniSDカードは採用する機種が減ったため、価格が落ちきっておらず割高な状態だが、microSDカードはほとんどの携帯電話機に採用されており、普及が進んでいる。
このため、価格は同容量のSDメモリーカードとほぼ同じか1割増しくらいで、通常サイズのSDメモリーカード用スロットに装着するための変換アダプターも付属していることが多い。アダプターを付ければ、SDメモリーカードと同様に扱える。普段はアダプタを介してSDメモリーカードスロットを持つ機器で扱うとしても、一時的にケータイで使いたいときなどに重宝するだろう。
さらにmicroSDカードで4GB以上の容量が扱える「microSDHC」という規格もあり、4GBの容量のものが6000円程度で販売されている。通常のSDHCメモリーカードの1割増し、といったところだ。現在8GBのものまで市販されているが、4GBもあればケータイやデジカメなどのメモリーカードを頻繁に交換する手間を省ける。
高速動作が必要なら「20MB/秒」といった表示がなされているハイスピード対応の製品を選ぶとよいだろう。こだわりがないなら、スピードクラス6の製品で十分事足りるはずだ。