「地球温暖化」をテーマにした洞爺湖サミットまであと1カ月あまり。IT業界でも「グリーンIT」が声高に叫ばれるなど、あらゆる業界でいま、“エコ”が話題になっていますが、住宅の世界ではちょっと変わったエコなサービスが広がるかもしれません。
ホームセキュリティ機器などを製造する、慧(けい)通信技術工業(株)が7月に始める新サービス「グリーンエネルギー価値循環システム」がそれ。携帯電話でかんたんに自宅のCO2排出量が分かる、という画期的なサービスです。
このサービスでは、家庭に設置されている電力メーターに、同社製の装置「ホームコントローラSAMOSII」を接続。電力使用量のデータをメーターから受けたSAMOSIIは、インターネット経由でデータを同社のASPサーバに送ります。ASP側では、消費電力をもとにCO2排出量を計算し、携帯電話から閲覧できるように変換する仕組みです。これにより、少なくとも家庭で排出するCO2の約4割を占めるという電気に関しては、自動で集計できることになります。
ちなみに、家庭でのCO2排出量は、電気とそれに次ぐガソリン、ガスで9割を占めるといわれています(全国地球温暖化防止活動推進センター)。現在のところ、このサービスでは電気以外の数値は手入力する必要がありますが、同社では「ガスメーターにも外部機器に接続できるタイプがあります。将来的には自動車のガソリン以外のほとんどのCO2排出量を簡単に把握できるようになるはずです」と説明しています。
機器の価格は、設置料込みで約25万円。直接販売するほか、大手ハウスメーカーとタッグを組み、新築住宅を購入する際に付加サービスとして提案するとのこと。また、ソーラーパネルを設置する“エコ住宅”で導入するケースを想定して、CO2の排出量を「引き算」する仕組みも考えているといいます。