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コンシューマ向けもついに発売決定

CMタレント名まで配信!究極のHDD録画、SPIDER

2008年05月28日 04時00分更新

文● 千葉英寿

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テレビのあるライフスタイルを再定義するSPIDER

有吉昌康氏

株式会社PTP 代表取締役 有吉昌康氏

――まず、SPIDER PROを発想した経緯をお聞かせください。

有吉:最初のきっかけは米国で見た世界初のHDDレコーダーの「TiVo(ティーボ)」でした。当時で16GBを搭載していて、これはすごい衝撃でした。それで、チャンネル数が限られている日本のテレビなら、ムーアの法則を考えれば、5~6年も立てばすべての番組を保存できるようになると思ったんです。結局、その時は出張そっちのけで、その事ばかり考えていました。

――アイディアがあっても製品にするにはハードルがあったと思いますが。

有吉:もともと製造業ではありませんし、ハードの開発をやるとは思っていなかったんです。最初、頭にあったのは、サービスであって、ハードウェアは国内に数多ある優れた製造メーカーにお願いして、これにソフトウエアとサービスを提供する事を考えていたんです。それでいろいろなところに説明にうかがったのですが、HDDにすべての番組を録画するという話だけを聞いて、だれもが思いつく以前からあったアイディアだと言われたり、私どもの狙いであるところの、レコーダーではなくビューワを作る事で、テレビのあるライフスタイルを再定義するという考えはなかなか理解されませんでした。もちろん中には共感いただけるメーカーもありましたが、大事な顧客である放送局に遠慮してしまい、二の足を踏んでいるようでした。

――それで自ら製造する事になったというわけですね。

上品なデザインのリモコン

上品なデザインのリモコン。「インターフェイスにこだわった」との有吉氏の言葉通り、ボタンを押したときの反応が驚くほど早かった

有吉:はい。そうした状況だったので、自分でリスクを背負ってやってみるか、という事になりました。2004年のはじめに製作を開始して、2005年秋頃にプロトタイプができたわけです。私どもはHDDレコーダーは最もPCに近い性質を持っていると考えております。ハード自体で差別化するのは難しいのですが、テレビ番組をすべて録画することができた段階で、いままでの(AV家電の)延長で考える必要がない、ゼロからテレビの見方を考える事ができると思ったのです。つまり、ハードではなくインターフェイスです。ライフスタイルにおけるテレビを再定義する上で、インターフェイスをどう作っていくかが重要で、そのため、時間をかけてイチからインターフェイスを作り上げました。

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