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日本のベンチャー育成に賭けてきた男

「マイナーさん、日本のITベンチャーってダメですか?」(前編)

2008年05月26日 07時57分更新

文● 吉田育代

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サンブリッジ

 彼らはあるとき資金集めに日本へやってきて、知り合いを通じて会ったんだけど、毎日毎日“私たちのファンドは革新的なテクノロジーに投資します。35%リターンをめざします。参加しませんか”と同じような文句を聞かされることにうんざりしていた僕にとって、このリサーチ・オリエンテッド・アプローチはものすごく新鮮に響いたんだよね。その彼らが手がけていた案件の一つにエクリプス・アビエーションがあったんだ。

 僕はこのストーリーが好きなんだけど、エクリプスは、“ジェット・タクシー”という画期的なアイデアを実現させようとしていた。小さな空港から小さな空港へ、特定少数の顧客を乗せて運ぶ飛行機。だから機体はせいぜい3~4人乗りでよくて、パイロットも1人で、エンジンもできるだけ小さく作り、燃費もよくする。1機1億円。今までの飛行機とはまったく違う考え方。この発想の新しさに購入したいという顧客は出現したのに、ベンチャーキャピタルが決まらないから飛行機を作る資金がない(笑)。アメリカのチームはいたんだけど、彼らの予算だけでは足りない。この飛行機会社の本社があるニューメキシコ州も投資に意欲的だったんだけど、どこかベンチャーキャピタルが目利きをして保証しなければお金が入れられない状態だった。そこで僕たちが力になることにしたんだよ。結局、この案件がきっかけで、アメリカのチームにはサンブリッジグループに加わってもらうことになった。エクリプス? 2007年に顧客へ機体を無事納品したよ。(後編に続く)

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