高度成長期:マンガのレビューサイトを紹介して飛躍
── 2004年というと、すでに大手ニュースサイトが地位を築いたあとですね。そういう「巨人」を相手にしながら成長するのは、かなり大変だったんじゃないでしょうか?
GOLGO31 そうですね。オタク系ニュースサイトとしては、すでにカトゆーさんやかーずさんが大御所になっていました。
ただ、オタク系の中でも飽和状態だったのはアニメやゲーム系で、実はマンガ系は全然なかったんです。たまたま自分がマンガ好きで「じゃあマンガのニュースを始めてみよう」と思ったら、そこには誰もいなかったという、ラッキーな状態でした。
もちろん、マンガの発売時期を紹介するサイトなどはありましたけど、僕が目指したのは、マンガのレビューを書くサイト紹介するニュースサイトだったんです。そういうコンセプトのサイトは、まだなかった。
── 偶然にもキレイに草分け的な位置に入って、そこからロケットスタートできたわけですね。
GOLGO31 いえ。そういうサイトがないことには、やっぱり理由があったんです。マンガをレビューするサイトを探しても全然なかったんですよ。アニメやゲームの記事はたくさん見つかるのに、マンガの記事はびっくりするくらいなかった。
そこで、アニメやゲーム系のネタも混ぜていたんですが、なんとかマンガ色を濃くしたくて、ウェブマンガの紹介に力を入れるようにしました。原作マンガのファンが描く二次創作、いわゆる同人ですね。特に初期の頃はそういったものを紹介していました。まあ、最初の頃は1日500ヒットくらいで、まったりやっていましたね。
── GOLGO31さん自身が記事を作っていたのも、その時期ですか?
GOLGO31 あ、そうです。一番最初は2004年6月でしたね。ある日書店で、当時「週刊少年マガジン」で連載していた作家さんのプロフィールをたまたま見つけたんですよ。それが非常に面白くて、ネタにしやすかったので記事を作ってみました。するとカトゆーさんとかーずさんが採り上げてくれて、初めてアクセス数がガンッと増えたんです。
そこで味をしめて、同年の9月には「ジャンプを去った漫画家たちは今……」や「『絶対可憐チルドレン』2話でやっちゃった画像」など、需要が高そうなネタ記事をどんどん投入しました。それが上手くいって。今でも覚えていますけど、9月に入ったときはアクセス数が1日5000弱くらいだったのが、9月末には2万弱になったという。
── 1ヵ月で4倍ですか! 独自の視点で常連さんを掴んだわけですね。
GOLGO31 でも、やっぱり環境がよかったのが大きいですよ。ライバルがいないということもですが、2004年は「デスノート」が始まった時期でもあって、その頃から「デスノコラ」というネタ絵がネット上に溢れるようになったんです。
そうしたこともあって、マンガに関する需要が高まっていたんですよ。そこにたまたま僕が出てきてという感じでしたね。
この連載の記事
-
最終回
トピックス
アンサイクロペディア“中の人”が語る、ユーモアの難しさ -
第99回
トピックス
マスコミが報じない“カルト”を記事に 「やや日刊カルト新聞」 -
第98回
トピックス
「もし森ガールが森へ入ったら」アサイさんの超地道な努力 -
第97回
トピックス
死刑は必要? 冷静に考えるためのWeb資料室「刑部」 -
第96回
トピックス
NTT研究者が“錯覚”サイトにかける純粋な感情 -
第95回
トピックス
ネットの「熱さ」、現代アートに――藤城嘘とカオス*ラウンジ -
第94回
トピックス
諸君!革命的美人ブロガー安全ちゃんに刮目せよ! -
第93回
トピックス
探検コムの「広く浅く」が深すぎる! -
第92回
トピックス
金髪ギャル語でニュートリノ、Shoさまが熱い! -
第91回
トピックス
「計画断水」知ってる? ネットで日本の昭和を振り返る -
第90回
トピックス
電子書籍を紙で売る! 「コトリコ」挑戦への道 - この連載の一覧へ