「実名性」でmixiを追撃!
Facebookは実名主義のSNSです。SNS内では、実名での信頼おける関係性を築くことを推奨しています。一方、mixiも当初は実名での登録を推奨していました。しかし、ユーザーが増えるにしたがって匿名での利用が増えるなど、日本では匿名性が好まれる傾向にあります。オリバン氏は、それに対しても実名性のメリットを強く主張します。
「携帯電話やメールなどの交流は実名でするものです。日本にもFacebookのアクティブユーザーがいますが、実名で登録・利用してくれています。その中で匿名で登録すると浮いてしまうし、出す情報も信頼してもらいづらくなります。安心して使える環境にしているので、使うメリットを感じてもらうためには実名で登録するのをおすすめします」
たとえばどこかを訪れる時など、これまでは現地の友人にいちいち電話やメールをしていました。しかし、連絡し忘れることもあります。そんな時、Facebookにブログや写真という形でアップロードするだけで、見せたい友人たちにそれらの情報を伝えることができるというわけです。実際、オリバン氏は日本に訪れていることをFacebookに書いただけで、日本にいた頃の同僚や友人らから、「日本にいるのか、飲みに行こう」という誘いが寄せられて、改めてFacebookの便利さを実感したそうです。
携帯版の開発にも力を入れる
日本、たとえばmixiでは、携帯からのアクセスがPCからのアクセスを上回るなど、携帯からの利用が重要視されています。Facebookも既にモバイルから利用できますが、じつはまだ第一段階。今後、日本のモバイル環境に合わせた開発も考えていると言います。
「Facebookは、iPhone版にカスタマイズしたバージョンもあるし、ブラックベリー版もあります。開発者向けプラットフォームを公開しているとおり、日本の携帯版アプリケーションは大歓迎で受け付けています」(オリバン氏)。既に色々な国の携帯関係者から「開発に興味がある」というアクセスが届いているそうです。
実名主義だがmixiでは「匿名利用」
日本にいた時はauの携帯電話を使っていたというオリバン氏。日本のSNS、mixiも使ったことがあるものの、利用は匿名だったそうです。「Facebookとは別物」ととらえた結果でしょう。
「コミュニケーションがグローバル化し、海外の友人や仕事先の人たちとのやりとりが普通となってきました。日本語版がオープンしたことで、日本にいる英語が苦手なユーザーも、Facebookの上で、国を超えて様々な会話ができるようになるはずです。今後、ユーザーが使いやすいものを出していきたいです。使いやすさはユーザーのお手伝いがあってできるものなので、ぜひFacebookのユーザーとなって、気に入ってくれたら、サービスをより良くする協力をしていただけたら嬉しいです。そして、いずれすべての人に入ってもらいたいですね」
日本のSNS市場は独特で、これまで多くの海外版SNSが参入してきたが芳しい結果は上げられていません。SNS界の黒船Facebookは、日本市場に切り込むことができるのでしょうか。今後の動きを注目したいと思います。