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エンジニアのための文章上達塾 第9回

最終回 総論

三毛猫は「文章上達」について教えてくれる

2008年05月28日 12時00分更新

文● 福田 修

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言葉を貯金しよう

 経験的に言葉の豊かな人は穏やかです。よく世界を把握でき、出来事を言葉にして外に出すことができるので、落ち着いていられるのでしょう。その逆に言葉が貧しい人は雑駁でツンツンとんがっています。霧の中を歩いているようで不安なのかもしれません。

 たった今、自分は語彙が足りないなと感じているなら、「自分のバージョンアップ作戦」を立ててみてはどうでしょうか。バージョンアップのためには、言葉を貯金することです。人間の能力に大した差はないのですから、何ら難しいことではありません。

 具体的にはエンジニアがいつも読むような技術などの専門書ではなく、あえて“小説”を読むことです。そこから語彙と表現方法と感動とを“パク”るようにしてみてください。1年も続ければ、自分が変化していることに気付くのではないでしょうか。

 冒頭でも述べましたが、最終回はSEに必要な文章技術とは直接的に関係ないことを説明しました。今回の内容は西洋医学のように即効性のあるものではありませんが、東洋医学のようにジワジワ効いてくる、長い間みなさんを助けてくれるものです。それに、まず人間があって次に技術があり、そしてようやくITがあると著者は考えます。「技術の前に人ありき」です。語彙力を含めた文章力の上達とともに、皆さんの成長を祈ります。

筆者紹介──福田 修

(株)CSK、日本インフォメーションエンジニアリング(株)を経て、テクノロジー・オブ・アジア(株)設立、代表取締役に。適切な情報技術の動向把握に長け、2000年問題の効果的解決、インドのSI会社との提携、Webアプリケーションへの取り組み、オブジェクト指向設計/開発の導入等を、早い時期から対応し、後発システムベンダへの指導的立場にある。著書に『SEを極める仕事に役立つ文章作成術』(日経BP社発行)がある。

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