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激化する次世代燃料ウォーズを制するのは!? 第4回

開発者に聞く「もう水素ロータリーは実用化?」

2008年05月23日 13時00分更新

文● 真鍋裕行

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なぜロータリーなのか?

───ではなぜ、内燃機関を使用するときに、レシプロエンジンではなくロータリーエンジンを選択したのでしょうか?

柏木 これは水素を燃料として使うときに、レシプロエンジンに対して、2つの利点がロータリーエンジンにあったからです。まず、水素の着火性をガソリンと比較すると、10倍以上もあります。このために、点火プラグとは別の影響で燃えてしまうことがあります。異常燃焼(バックファイヤー)と言われるものですが、これが発生するとエンジンに致命的なダメージを与えてしまいます。レシプロエンジンは、吸気と爆発、排気をひとつの部屋(シリンダー)で行なっていますが、ロータリーエンジンは、別々の部屋で行なっていますし、着火源になりやすい排気弁もありません。そのために、吸気した水素はプラグの点火できちんと燃焼できるのです。

 もうひとつは、ロータリーエンジンが直噴技術を採用しやすいことです。水素は、理論混合比といわれる、空気に対してどのくらいの燃料が必要かという数値において、同じ空気量に対して、ガソリンの15倍以上の体積の燃料が必要になります。そのため、混合気として吸気するのではなく、空気のみを吸入した部屋に直噴インジェクターで水素を入れないと、出力低下が大きくなります。この直噴インジェクターをレシプロエンジンでは設置するスペースがありませんでした。

水素RE

水素ロータリーの設計図面

 この2つの問題をクリアできるのがロータリーエンジンだったということです。これに気づいたのが、1991年頃で、それ以来マツダでは水素燃料を使用するにはロータリーエンジンを採用しています。

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