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最新パーツ性能チェック 第61回

【最新パーツ性能チェックVol.61】

「Phenom X3 8750」コア1つ分の価値はいかほど?

2008年05月20日 21時13分更新

文● 加藤 勝明

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CineBench R10

 続いては3Dレンダリングを行なう「CineBench R10」だ。X3 8750を使いテストを実行すると、しっかり画像が3分割されて描画される(当たり前の話だが、トリプルコアであることを実感する瞬間だ)。テストは1コアのみのテストと全コアを使うテストを実行している。

CineBench10 1CPU

CineBench10 Rendaring 1CPU(単位:score) Fast→

CineBench10 multiCPU

CineBench10 Rendaring multiCPU(単位:score) Fast→

 結果を見て分かる通り、1コアあたりの性能は(動作クロックが高い分)X3 8750は9500に勝るが、コア数が少ない分だけ全コアを使ったスコアは下になる。CineBenchのようにCPUの馬力依存度の高いアプリはコア数が多い方が有利であることが再確認されたが、そうではない場合もあるのだ……(次のテストへ)。

TMPGEnc 4.0 Xpress

 動画のエンコードもCPUのコア数が多いほど有利とされている。エンコードを高速化したいがためにクアッドコアを選ぶ人も多いだろう。ここでは動画エンコードの定番「TMPGEnc 4.0 Xpress」を使い比較してみた。容量167MBのAVI動画をHDV-HD2(m2tファイル)形式にエンコードする際の時間を比較してみた。エンコード時の諸設定はデフォルト値を利用している。

TMPGEnc 4.0 Express(単位:秒)

TMPGEnc 4.0 Express(単位:秒) ←Fast

 このテストではコア数の少なく不利なはずのX3 8750が堂々の2番手。むしろ9500がクアッドコアのくせに不甲斐ないというべきかもしれない。今回のテストではTLBエラッタをBIOSレベルで回避するための設定を有効にして実験しているが、9500は元々の動作クロックの低さに加え、このTLBエラッタ対策によるパフォーマンスダウンが効いてしまったと考えるべきだろうか。

Crysis

 比較的安価なのに3次キャッシュが2MB据置きという点はPCゲーム用としては非常に嬉しいフィーチャーだ。そこで「Crysis」のCPUテスト2を使いCPU負荷の高いシーンでのfpsを比較してみた。画質関係の設定は全て「高」に設定し、解像度は1600x1200限定にしている。

Crysis (単位:fps)

Crysis CPUテスト2 (単位:fps) better→

 このテストの傾向はTMPGEncと同じく、X3 8750が9500に明確な差をつけて勝利している。適度な動作クロックに適度なコア数があれば、クアッドコアでもトリプルコアでも極端にパフォーマンスは変化しないと考えてよいだろう。その結果は次の「Unreal Tournament 3」でも裏付けられている。

(次ページへ続く)

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